5月13日 暗殺者のパスタ、のアレンジ

 何故か明け方までとりとめの無い話ばかりして、昼まで寝ていた。またやってしまった。でも楽しかったので許してほしい。ここには楽しいことが本当に少ないものだから。


 今日は雨。頭は一層ぼんやりとしている。

 ぼんやりとしながら「母の日」について日記を書いていたが、ふと荷物の追跡確認をしてみると日付指定の留め置きになっており、おやおや?と改めて今年の「母の日」をググると明日だった。荷物が正しい。ぼんやりし過ぎである。


 昼にはモスバーガーの「とろったまチーズ テリヤキバーガー ~北海道産ゴーダチーズ使用~」を食べてみたが、残念ながらあまりバランスの良いハンバーガーでは無かった。チーズか玉子はどちらかで良いように思う。相変わらずレタスが美味しいのは流石である。

 久しぶりにシェイクなぞ頼んでみた。何年ぶりかに飲んだが普通に美味しい。最近はテレビの影響でコーヒーシェイクが人気のようだが、フライドポテトとの相性が良いのはバニラである。ほんのりとバニラが香る素直な甘さ。

 モスのフライドポテトは正直言って、私の好みからすると太過ぎる。これをシェイクにディップするような真似はしない。交互に食べるだけである。だがこれがうまいのだ。甘いぜんざいに付いている塩昆布のように、塩気と甘みが交互に来ることでそれぞれの味わいが際立ち、尚且つ飽きずに食べられる。


 今夜はまた、一人の夕食。「暗殺者のパスタ」を作ってみることにする。

 名前の由来は諸説あって正確には不明だが、あまりに美味しすぎて「殺す気か!」と言ったからだとか、トマトソースをびちゃびちゃに使うのでキッチンが殺人現場のようだとか、なかなか面白いやつである。

 とはいえ、一人分なのにトマトピューレやトマトペースト、トマト缶は使いづらい。色々探した結果、トマトジュースを使ったフレンチシェフのレシピが美味しそうだったので、試してみることにした。そのためイタリアのスタンダードなレシピとは色々と違うことをご承知おきいただきたい。

 スパゲッティはそのままだとフライパンに入り切らないのでバキバキと半分に折り、オリーブオイルで揚げ焼きにする。全体がこんがりとしてきたら、フライパンの端でニンニクのみじん切りとケチャップを軽く炒めてから絡める。トマトスープと水、塩を混ぜたトマト出汁を数回に分けて加え、スパゲッティに含ませていく。フライパンの中の水分が無くなってきたらバターを炒め合わせ、黒胡椒をしっかりと振る。

 多少時間はかかるが、材料も手順も大変シンプルである。出来上がったパスタは見事な赤黒さ。

 一口食べて、頭を殴られたかのような衝撃が走る。暴力的なまでの旨味。ほぼトマトだけでこれだけの旨味が生まれるものなのか。追い打ちをかける濃厚なコク。最後のバターが効いている。それらをしっかりと吸ったスパゲッティはこんがりと香ばしく、アルデンテとも違う固さで新鮮な食感。トマトの相棒ともいえるニンニクの香りが頬を打ち、芳醇なカンボジアの黒胡椒が丁寧にとどめを刺してくれる。完敗である。

 皿を真っ赤にして、あっという間に食べ切ってしまった。

 とはいえ、栄養の偏りが気になるので、ストラッチャテッラ(https://kakuyomu.jp/works/16817330654745085719/episodes/16817330655177719805)も作って食べた。シンプル過ぎて物足りない場合は、肉などの主菜を別に用意すると良い気がする。この一皿があまりに完成されていて、ベーコンなどを加えるのは無粋な気がしてしまうのだ。


 いやはや、また一人飯で成功をおさめてしまった。「暗殺者のパスタ」のおかげで、雨でぼんやりした頭も今更ながらすっきりしてきた。今から何かできるだろうか。

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