7/15(土)#覆面BLSS企画「僕のドールになって欲しい。」

僕のドールになって欲しい。

  ドール、と言われ半ば都市伝説のような存在がいる。

 昔大切にされた人形が、主恋しと人を模して会いに行くのだ。

 思い出して欲しいと主を求め、心か体が繋がったらドールは崩れてしまう。

 それを直すことが出来るのはプレイだけ。けれども大抵は思い出されることなく崩れてしまうそうだ。

 ダイオウグソクムシのぬいぐるみだった僕はナツノという。水族館が大好きだった主はいつしか花鳥園にはまっていて、あの眼光鋭いハシビロコウのぬいぐるみにお気に入りの座を奪われてしまった。許すまじ。

 大人になった主と結ばれるべく、僕は主を探したが、ちょっと様子がおかしい。

「ナツノくん小柄で本当に愛らしくて合法ショタみがあって僕は僕は……ハァハァハァ」

 教えてドールの人! 主がヤバい人になってたときの対処法!!

 僕の大切な右京君は変態になってしまった……。いいや、もういいんだ。諦めよう。

「右京君、僕はその」

「ダイオウグソクムシのぬいぐるみ、だよね」

「えっ……思い出して、くれたの?」

「君のアロマロカリスよりも丸みを帯びた姿、ずっと好きだった」

 抱き締められても体は崩れない。思い出して、もらった……からなのかな。

 僕は嬉しくなって右京君に抱きついた。


「忘れるはずがないよ。ずっと君が欲しかったんだから」

──陶酔した様に、左京はナツノを強く抱き締めた。


【おまけ】

 こちら◯◯バースアンソロジーのメンバーでバースシャッフルしたものです。私はドールバースを書いてみました(*^^*)

 蛇足ですが、右京と言う名なら双子がいてもおかしくないかなというのが伏線です。愛してくれたのはプレイそっくりな他の誰かだったら……なんてぞわりとする仕様を盛り込んでみました。ハシビロコウ? 完全に私が好きな鳥ですね。

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