第四章
本当に葉山くんは、私が主人公の物語を作るようになった。
嬉しいという感情と一緒に『何で葉山くんはあんなに優しいんだろう?』という疑問ができた。
二週間後、物語が完成した。
「蝶花!完成したよ。」
「本当!?題名は?」
葉山くんは息を深く吸ってから言った。
「主人公にあこがれた君へ」
失礼かもしれないけれど、あまりしっくりこなかった。
「主人公にあこがれているのは葉山くんも同じなんじゃないの?だから書いたんでしょ。」
ずっと思っていたことを、初めて葉山くんに言った。
「そうだよ。俺、中学生のときずっと恋愛小説読んでてさ、『男なのに』ってずっといじめられてた。だから蝶花が、私も物語の主人公みたいになりたい。って言ってた気持ちがめちゃくちゃわかった。だからつくろうって思った。」
「そうだったんだ。」
葉山くんが『友だちいない』と言っていた理由が少しだけわかった気がした。
「じゃあ、題名は……」
「主人公にあこがれた私たちへ」
二人の声が重なった。
主人公にあこがれた私たちへ 春野蕾 @harunotubomi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
鳥に愛される/春野蕾
★3 二次創作:R.B.ブッコ… 完結済 5話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます