第二章
一緒に小説のアイディア出してくれない?と葉山くんに言われてから私は放課後、毎日図書室に行くようになった。
ただ話すだけじゃつまらない。と言うことで、一つのテーマに沿って話をくり広げる方法でアイディアを考えるようになった。
今日は『友だち』についてだ。
「葉山くんって、友だちたくさんいるよね。私、友だちいなくて…。どうしたらできる?」
私は幼い頃から人見知りで人とあまり上手に会話ができない。
そのせいで友だちがいない。
「俺、友だちなんていないよ。よく、人気者とかいろいろ言われるけど、違うし。広くて浅い友好関係を築いてるだけだよ。」
「…何か、ごめん。」
信じられない答えが返ってきて謝罪以外の言葉が出てこない。
「あと、蝶花、友だちゼロじゃないよ。俺、蝶花の友だちだから。」
「ありがとう。」
その日から、葉山くんは私のことを蝶花、と下の名前で呼ぶようになった。
十七年生きて、初めて友だちができた。
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