陽の章 第二十三項 ~予感~
気位の高い王女様は、自分の恋人の理想像を想い描いていた。
背は自分よりも頭一つ高くて、
髪は風に靡く柔らかな純白で、
瞳は誰もが羨むような白銀で、
眼は切れ長で、
鼻は高く筋が通っていて、
口はあまり大きくなく上品で、
輪郭は細くはっきりして、
身体は引き締まっていて、
紡月力に優れていて、
剣の腕も超一流。
何より譲れないのは、自分より年上で包容力があること。
この国で一番偉くなるのは自分なのだから、
それを支える伴侶ともなれば、
誰もが羨むくらいに格好良くて、
とびきり強くて、
自分が甘えられるくらい立派な人でなくては。
それが、彼女の理想だった。あくまで理想だった。
彼女が現実に恋をしたのは、
国土の南端にある漁村の出の、
自分より二つも年の若い一般兵だった。
身長は彼女と殆ど同じ、
体系は細身というよりは貧弱、
訓練で転げ回っているせいで髪は砂っぽく乾いている。
美少年と呼べなくはないものの印象に残りにくい薄味な顔付き。
取り立てて目立つ所のない、凡百の少年。
それでも惹かれたのは、彼の笑顔だった。
どんなに激しい訓練でも、楽しそうにしていた。
雨に降られても、泥を被っても、爽やかに笑っていた。
彼の無邪気な笑みは、自然と周りを明るくさせていた。
ウェイ=リウェン。
後に白星騎士団団長にまで上り詰め、
そして王女の伴侶となる彼は、
まだ自分に向けられている好意など知りもせず、
故郷を飛び出してまで叶えたかった、
騎士になるという夢に向かって、
ただ直向きに訓練に明け暮れていた。
陽の章 第二十三項 ~予感~
曰く。
件の者達の中に軍属の者はおらず、一市民という認識である。
彼等は白の王女との接点が無く、容姿から王女を特定できたとは考えにくい。
そもそも襲撃が行われたという話に証拠がない。
襲撃があったとされる現場ではなく、
牢へ収容後に全員が命を落としたことについて、
一人が牢を脱出して他の者を殺害した後に自死、という経緯には疑念がある。
白の王女の祝宴に於いて、赤の王女に対する襲撃があったことを踏まえれば、
彼等が襲撃の被害者である可能性さえも否定できない。
以上を踏まえ、襲撃の当事者とされる人物に対する問詰を赤の国側で行いたい。
「さて、これはどう動くべきか」
赤の男達によるフィアシス襲撃から十二日。
ついに届けられた赤の国からの返信は、
女王レフィアに頭を抱えさせるに足る内容だった。
この書をテュード達に見せたレフィアの姿は、
フィアシスからすれば記憶に無いほどの憔悴ぶりで、
顔色も一目に分かるほど悪く、言葉数も明らかに少なかった。
まずは襲撃の弁明があり、そこから落とし所を探る形になる、
と踏んでいたのはレフィアだけではない。
ミヅキもテュードも大筋として同意見であることは、
この数日の会話で明らかであった。
「当事者となると、アルムが向かうことになるかな?」
部屋に戻るなり首を項垂れて唸ったミヅキに対して、
テュードはゆったりとした所作で椅子に腰掛け、涼しい顔で問う。
フィアシスから見る限りでは、
少なくとも彼が今の状況を深刻に受け止めているようには見えない。
「そうなるかと。
最終的には女王レフィアの判断ですが」
同様に、さして変わりのない落ち着いた口調でアルムが答える。
あの夜が明けて、結局フィアシスが選んだのは、
何も見なかったことにして共に過ごすという道だった。
アルムはフィアシスの不行儀について気付いた素振りもなく、
今までと変わらぬ態度でフィアシスに接している。
まるであれがフィアシスの見た夢であるかのように、
テュードとアルムとの間に艶めいた空気はまるで無く、
目にするのは、主と忠臣としてのやり取りだけだ。
アルムは変わらず親衛隊長としての責務も全うしており、
フィアシスを蔑ろにするような素振りもない。
ただフィアシスだけが、
自らの行いを恥じる後ろめたい気持ちと、
誰に対してかも定かでない喪失感と嫉妬心を抱えたまま、
必死に取り繕った笑みを浮かべている。
「まさか本気で赤の男達が被害者だなんて思っていないだろうし、
交渉を決裂させて、戦端を開きたいのが本音なのかな。
当事者と言われたところで、フィアシス様を出すわけがないけど、
尋問が目的、なんて言い切っているものに、
ただの護衛や監視の侍従を差し出したら、どんな目に遭うか」
椅子の肘掛けに両肘を載せ、机の上で指を組み、
テュードが変わらず穏やかな笑みで語る。
そんな結果にはならないという確信があるのか、
或いはテュードならば、
これが赤の国からの問答無用の宣戦布告であったとしても、
同じような顔と声で、開戦の準備を始めてしまうのだろうか。
これまで三者の会話を眺めてきて、フィアシスが感じるのは、
テュード=ディメイルという人間に対する違和、
言葉を選ばずに言うならば気味の悪さだった。
淡々と、飄々と、そんな言葉が相応しいだろうか、
常に柔らかな笑みを浮かべ、穏やかな口調で話す。
アルムに対しても、ミヅキに対しても、
フィアシスに対しても、レフィアに対しても、
それぞれに選ぶ言葉は違えど、扱いは等しい。
そう、初めに感じたのと同じように、
まるで誰もが自らの臣下であるかのような尊大さで、
自分は天上から見守り赦す者である、とでも言わんばかりだ。
「護衛に付いていたのがアルムだということを、
レフィア女王が初めから明かしていれば、
また違った文面が届いていたかも知れないね」
「アルムを出す、となれば、
赤の第一王女が出てくる可能性もある。
考えようによっては、好機やも知れぬな」
テュード達のやり取りを受けて、ミヅキが思索の表情を見せる。
彼女達の目的が五国の王族の集結である以上、
赤の第一王女ティニアとの対話は不可欠だろう。
ただ、ティニアとアルムとの間にあるものは明確な敵対。
彼女がアルムやそれに与する者からの要請に素直に従うとは考えにくく、
それならばいっそ、この新たな争乱の火種となり得る場所に、
アルムを餌に引き摺り出そうということだろうか。
しかし、対面できたからといって、
「相手が話を聞いてくれるとは限らないし、
何なら、より深刻な対立を生む結果にもなり兼ねないが」
とフィアシスが思っていた言葉を、アルムがそのまま口にした。
赤の国の内情については、フィアシスはまるで分からないが、
クレミアからの伝聞で、内政が混沌としていることは理解している。
今回の件についても、ティニアとクレミアに何処までが伝わり、
二人の意思がどれだけ反映されたものなのか分からない。
それこそ、赤の民が白の王都で襲撃され殺された、などと、
捻じ曲げられた話だけが伝えられていても不思議ではない。
「アルムの名前を出す方向で、レフィア様と相談してみようか。
理想を言うなら、ティニア様とクレミア様が二人共出てきて、
話を聞いてくれると良いんだけどね」
無茶を承知で、といった風にテュードが続けた言葉に、
フィアシスは心の中で小さく頷く。
確かに、クレミアならばアルムの話を冷静に聞いてくれるだろう。
フィアシスが襲撃を受けた、という話さえ伝わっていたなら、
事の顛末を注視しているに違いないし、
ティニアよりも招聘に応じる可能性が高いように思われる。
それとは別に、例の一件以来、
フィアシスはクレミアと連絡を取れておらず、息災を確かめたくもある。
「ふむ、相談と言うならば、
緑の国との交渉も並行で進めたいところだな。
いっそ拙者が直接赴いて話をしても良いと思っておるのだが」
赤の国への対処については結論が出たとしたのか、ミヅキが話を移す。
間を置かずに示した申し出は、
しかしフィアシスにとっては首を傾げる内容だった。
緑の女王ファナンとの対話ならば、レフィアを差し置く理由がない。
両者の親交についてはミヅキも知るところだろう。
直接赴く、となれば確かにレフィアの立場では時間を要するものだが、
そもそもミヅキと緑の国には今までに接点が無い。
アルムが赤の国ならば、ミヅキは緑の国、
という程度の話かとフィアシスは納得しかけたが、
「それは、八尾の狂人に早く会ってみたいだけでは?」
「そんな私欲で言うか。子供ではないのだぞ」
続くテュードとミヅキの掛け合いで、
フィアシスは過日のミヅキの言葉を思い出した。
邂逅の日、レフィアとの会話の中でミヅキは、
白の国への滞在が認められなければ緑の国に行く、
八尾のファナンも見ておきたい、などと口にしていた。
あの時は、ミヅキが望めば緑の国はそれを受け入れる、
という確信に基づく言葉なのかとフィアシスは感じていたが、
今のやり取りを聞く限り、
ミヅキにはファナンに対する何らかの執着があり、
それはミヅキの私欲として共通で認識されているらしい。
フィアシスが思いつく範疇で考えるならば、単に物珍しさだろうか。
青と黒の側から見れば、
白赤緑の方が御伽噺のような存在である事は想像に難くなく、
中でも外見に大きな特徴を持つ狂人族という種族に対し、
ミヅキが強い興味や関心を抱いている、といった理由であれば、
フィアシスとしては納得もするし、
ミヅキの発言には少しばかりの愛らしさも感じられる。
「時間の猶予が減ったのならば、動ける者は動いた方が良かろう。
拙者の存在は緑の女王にも伝えられておるだろうし、
単純に移動時間を考えても、拙者が単身で動くのが一番早い。
緑の王都に行くだけなら、それこそ一日も掛からぬ」
言い諭すように、ミヅキが言葉を並べる。
あまり時間を掛けられない、予定が早まった、といった言葉が、
テュードの口から語られていたことをフィアシスは思い出す。
彼女達の目的は未だ知れないが、
文のやり取りの時間すらも惜しい状況ということだろうか。
この数日の彼女達からは、
目立ってレフィアを急かすような素振りは見えなかったが、
その実、焦れる気持ちを抱えていたのかも知れない。
それはそれとして、ミヅキの語る緑の王都まで一日という行程は、
フィアシスからすれば、流石に大言と言わざるを得ない。
早馬を乗り継いだとしても緑との国境までに一日は掛かる。
フィアシスが全力で白の紡月を行使すれば、
それこそ馬よりも速く動けなくもないが、
道半ばで力尽きるかどうかは、試すまでもないだろう。
「そこも含めてレフィア様と相談してみましょうか。
もしミヅキ様が一人で行くとなれば、
ファナン様宛の文くらいは認めてくれるでしょう」
「うむ、取り計らいに期待するとしよう。
夕刻の会合までは時間があるし、
まずはレフィア殿の侍従に言伝を頼んでおくか」
言うが早いか、ミヅキが部屋の扉に向けて歩き出す。
レフィアとミヅキ達が直接会話する時間は、
概ね朝夕の限られた時間だけだ。
赤の国との問題があろうと、レフィアの抱える政務が減るわけではなく、
見るからに不調を来している母に対して、
フィアシスに出来る助力は殆ど無い。
実の所、青と黒の王の歓待を任せきりに出来ているのは、
レフィアにとっては十分な助けになっている筈だが、
それを特に負担に感じていないフィアシスが思い至ることはない。
「相変わらず能動的というか、即時的というか……
僕も一緒に行ってくるよ。
アルムは、フィアシス様の護衛を遂行するように」
「はい」
足早に部屋を出ていったミヅキに苦笑しながら、
テュードが悠然とした所作で立ち上がり、その後を追う。
アルムに向ける声にも、それに応えるアルムの声にも、
やはり浮いた色はまるで無く、感じられるのはただ信頼と信奉だけだ。
「……」
テュードが去った部屋で、
アルムと二人で残されたフィアシスが感じるのは、
どうしようもない居心地の悪さだった。
ほんの数日前までは、アルムと二人で過ごす時間こそ、
何物にも代えがたいものであった筈なのに。
今はただ、話すべき言葉も見当たらず、
アルムに視線を向けることすらも躊躇ってしまい、
重い気持ちで沈黙することしか出来ない。
「聞いていた通りだ」
そんなフィアシスの気持ちを、知る由もなく。
変わらぬ口調で、アルムがフィアシスに語り掛ける。
「赤の王女が出てくるかどうかは不明だが、
私が出征する方向で話は進むだろう」
フィアシスが傍にいるにも拘わらず、
フィアシスの意思が問われることも無く出された結論を話す。
あの日、ティニアが要求したアルムとの決闘を、
レフィアが是認した瞬間と同じだ。
よりにもよって、事の発端が、
フィアシス自身の浅はかさであるという事すらも同じ。
だから。
だというのに。
「その間、私は王城を離れることになるが……」
「行けば良いじゃないですか」
フィアシスの口から漏れ出たのは、酷く乾いて荒んだ声だった。
その声に驚嘆したのは、アルムよりも寧ろフィアシス自身だ。
こんな暗い色の声は、今までに出したことが無い。
「私の意見なんて聞く価値も無いですし、
私の気持ちなんて知る必要も無いですし」
口に出そうと思って出した言葉ではない。
何を言ってしまったのか。
何を言おうとしているのか。
すぐに訂正しなければ。口を閉ざさなくては。
「命令だから私を守っているだけで、
別に私のことなんてどうでも良いんですよね」
そんな筈がない。どうでも良くなんて思われていない。
分かっている。
北門の警備をそのままにすることだって、
鎧を脱いで街に出ることだって、
きっと本当は拒むことは出来たはずだ。
それをアルムは受け入れてくれた。
フィアシスの想いや望みを優先してくれていた。
「私の親衛隊なんて他の人に任せて、
テュード様と一緒にいれば良いじゃないですか」
そんな事は考えていない。
ずっと、少しでも傍にいて欲しいと思っている。
もう叶わないことかも知れないけれど、
また素顔のアルムと二人で歩くことが出来る日が来ればと、
今だってそう願い続けている。
「本当はそうしたいと思ってるんでしょう?
メゥフィ、様?」
「……」
目眩がする。
聞くに堪えない、惨めで、浅ましい声だった。
自分の心の内にある暗いものを吐き出しながら、
吐き捨てる度に、それがもっと大きく重くなっていた。
幼稚な独占欲と嫉妬。
自分だけのアルムだと思っていたのに。
赤の王女ティニアを打ち負かしたことで英雄の如く扱われて。
自分を残してどこかに行ってしまったと思えば、
ミヅキという剣の師を連れて戻ってきて。
それからはミヅキと三人で過ごす時間が増えて、
二人で過ごす時間は少なくなって。
そして、テュードの来訪。
親衛隊長として自分と接するアルムと、
忠臣としてテュードに接するアルムはまるで別人。
女性であると知った時点で恋ではなくなったとはいえ、
紛れもなくフィアシスにとっては特別な相手だった。
それを、あまりにも露骨な形で、
アルムにとっての特別が自分ではないと、
「盗み聞いていたのか」
「っ……」
呆れたような声で、フィアシスは我に返った。
頭の熱が冷め、何を口走ったのかを思い出した。
勝手に一人で悲観的になって喚き散らした挙げ句に、
無断で部屋に入って情事を覗き見たことを白状した。
何がしたかったのだろう。
名を隠していたことを責めたかったのか。
その名で呼ぶことで、自分も特別になろうとしたのか。
視界が滲む。
なんという醜態だろう。
もう何をどう言い繕うことも出来ない。
決定的に関係を崩壊させるような言葉を、
自ら叩きつけてしまったのだから。
「知ったことを忘れろとは言わない。
ただ、私のことは今まで通り、アルムと呼べ」
「……」
それは、やはり。
アルムにとってフィアシスは特別にはなり得ないということだろうか。
再びフィアシスの胸が鈍く痛む。
「先程の話の通りに事が進めば、
私とミヅキは王城を離れることになる。
もしも不測の事態が起きた場合は、
テュード様に助けを求めるようにしろ。
あの方の剣は、青の王であるミヅキにも引けを取らない。
紡月力も高く技術も卓越している。
考え方も柔軟で機転の利く方だ。
あの方の傍にいれば、身の危険を考える必要はないだろう」
それ以上の追及もなく、アルムが話を戻す。
フィアシスが並べ立てた言葉に、何も思う所は無かったのか。
それとも、フィアシスの今の態度に後悔を見て取ったのか。
それをアルムの態度から理解することは出来ない。
ただ、自分の嘆きが取り上げられず捨て置かれたということは、
今のフィアシスにはあまりに残酷な仕打ちだった。
「とても……嬉しそうに話すんですね。テュード様のことは」
もはや何の為なのかも定かではない言葉を、
フィアシスは震える声で吐き出す。
きっとそれは恨み言でもあり、自嘲でもあった。
「……テュード様は、私の命の恩人であり、絶対の忠誠を誓う主だ。
私の全てはあの方の為に存在している。
身も心も全て捧げ、私に出来る全てであの方を支える。
それが私の生きる意味であり、私自身の喜びだ」
あぁ、と。
フィアシスは腑に落ちるような感覚を覚えて、そしてどこか少し安堵した。
命の恩人。自分の全て。生きる意味。
なるほどそれは確かに敵うはずもない。
初めからそんな相手がいるというのに、
ただの護衛対象として出会った自分が特別になどなり得ない。
これで未練もなく諦める事ができる。と。
「そう、ですか」
色のない声を零して、
フィアシスが緩慢な動きでアルムに背を向ける。
涙を落とさずにいるのはもう限界だった。
今はただ少しでも早くこの場を離れてしまいたい。
「部屋に、戻ります。
今日は……一人にしてください……」
アルムの答えを待たず、フィアシスは逃げるように退室した。
背中で扉を閉じた後、首を反らして頭がこつりと触れたところで、
ついに堪え切れずに両目から涙が溢れた。
自分は何をしているのだろう、とフィアシスは自問する。
赤の国との新たな火種が生まれ、
一歩間違えば戦争が始まろうという情勢だ。
滅びたと思われていた青と黒の国が今も在り、
アルムの名の下に五国の王を集結させようとしている。
そんな大きく激しい世界の流れの中で、
白の王女であるはずの自分は何の役割も持たないまま、
ただ幼く拙い個人的な気持ちにばかり心を乱して。
こんなものが王族としての在り方だと、どうして言えよう。
母のように賢く、書に記される歴代の王のように気高く、
そんな風に自分も在らねばならなかったのではないのか。
そんな惨めな声が心の裡から溢れ出して止まらない。
静かだった慟哭が、嗚咽にまで至りそうになって、
フィアシスは慌ててその場を後にした。
この期に及んで、咽び泣く姿をアルムに見せるなど、
どうあっても自分の心が耐えられない。
同日、ミヅキとテュードの要請に応じる形で、
レフィアはアルムに出征を命じた。
その報は翌朝にはフィアシスの耳にも届いていたが、
アルムが赤の国へ向けて出立するまでの間、
終ぞ、フィアシスがアルムと対面することは無かった。
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