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柳下がC市警察署の3階の個室を占拠して、かれこれ40分が経過している。様子を見に来た川崎からは
「中からは何の音もしないんですけど、柳下さんがなんかぶつぶつ言ってます」
という報告が山浦と栗本に届いた。コンビニで買って来た新商品のスフレプリンをスプーンで突き刺しながら山浦が言った。
「いつものことだけどさ、いきなり戦ってくるっつって、小一時間もトイレに篭られたら、初見の人って心配になるよな」
「どっか悪いんじゃないかとか?」
「それか、なんか変なことしてんじゃないかとか」
「スマホ持ち込んで、エロ動画でも観てんじゃないすか?」
「言えてるなぁ、なにげにあの人、変態だから」
3人がスフレプリンを半分くらい食べ終わった頃、柳下が個室から戻って来た。珍しく、服が少し乱れている。目もバキバキである。
「おい!」
「はいっ!」
「行くぞ」
「どこにですか?」
山浦は訊いた。ちゃっかりプリンを話しながらもパクリと口にしながら。
「いいから、探しに行くぞ」
「だから何をですか?」
「話はあとだ。川崎、パトカー出せ」
「はっ、はい!」
「山浦とクリは別動隊だ。向かってくれないか?」
「だからどこにですか?」
「ココだよ!」
柳下は一枚の名刺を差し出した。
「俺と川崎は、一緒だ。来い」
「はっ、はい!」
「コトは一刻を争うかもしれないからな」
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