私の指示に従えば間違いありません
取引先のジェームズ氏は俺より一回り大きかった。
早速、AIに活躍してもらおう。
グデゴマを起動して……
「はじめまして。お会いできて嬉しいです」
「こちらこそ、今回はよろしくお願いします」
ジェームズ氏ははにかんで、こちらに向けて手を差し出した。
よし、ここで握手をして……
『待ってください。ここは日本ではなくアメリカです。銃やナイフを隠しているかもしれません。軽率な接近はやめるべきです』
そんなことある?
『あなたは日本人なので、分かっていないのです。私の指示に従えば間違いありません』
そうかなあ。
と、妙な間が空いたせいで、ジェームズ氏が手をひっこめてしまった。
「どうかされましたか。海外に出たのははじめてと聞きました。体調が悪いなどございましたら何でも申し伝えください」
何か言われた気がするんだけども、長くて聞き取れなかった。
どうしよう。
「グデゴマ、さっきの彼の台詞は何て言っていたの?」
『握手しない理由について訊いているようです。どうか、お任せください。AIの私がきちんと受け答えします』
頼もしいな。
俺はジェームズ氏に聞こえるように端末の音量を上げた。
『なぜなら彼はゴルゴ
ん、なんかゴルゴとかサーティーンとか聞こえたんだけど。
気のせいかな。
「ゴルゴ13とは何のことですか?」
『ゴルゴ13とはさいとう・たかを作の
「長いので、まとめていただけませんか?」
『つまり彼は超一流の暗殺者です』
ん?
ヒットマンという単語あたりからジェームズ氏がざわついたんだけど、大丈夫かな。
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