哲学的解釈

 ある高名な哲学者の遺作が発見された。

 みんなが固唾を飲んで本を開く。


『おまえはおまえの死んだ灰を山に運び今日は生きた火を運ぼうとするのならばおまえは放火者としての罰をうんぬんかんぬんうんちゃらかんちゃら……』

 といった調子で、ひたすら意味不明なことが書かれていた。

 みんなの頭にハテナが浮かんだ。

 

 けれども気を取り直す。

「こ、これはきっと人間の本質について説いているに違いない」

「そうだ。別の一文も生命の本質を表そうとしている」


 議論が始まった。

「これはおそらくあーでこーで」

「ここはきっとあれでそれで……」

 彼らの背後で、高名な哲学者の霊が、プカプカ浮かびながら話を聞いている。

「ほーん。そういう意味やったんか」

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