日々
瞬く間に過ぎて年が明けた。
俺は年末から正月にかけて忙しく、由美と会えずにいた。
年が明けた10日およそひと月ぶりに由美と会った。
厚手のコート越しにも関わらず由美は痩せていた。
いつもの私鉄の改札口からラブホテルまで由美の手を引く。
由美が軽い。ホテルで脱衣した由美はあばらが浮いて頬や尻が痩け、たわわな乳房は張りを無くしていた。
俺は由美に何事なのか問うた。
由美は風邪で体調崩して食欲不振になって痩せてしまった、と答えた。
俺は医師でもある。しばしの食欲不振がもたらす羸痩ではない事は明らかであった。
でもそれ以上問うのは由美との関係に好くないと感じた。
そのあたりの勘働きは職業のスキルの所以である。
体を労る俺だったが、由美をいつも以上に強く激しく抱いてしまった。
たぷたぷにした由美を連れて飯を食いに出掛ける。
私鉄と隣接する商業ビルに中華料理屋があって、そこで由美の食欲を観察した。
中華料理は粥から肉料理まで、様々に対応する。
由美は予想外に高カロリーの食事をした。
病で痩せたのではない。由美は単純に飢えていた。
みるみる食べた由美は、その場で少し回復したように見えた。
中華料理屋を後に改札口に由美を送った。また10日後に再会を約束して別れた。
そして10日後由美は現れなかった。
俺はいつもの私鉄の改札口で由美を待った。
柱にもたれたり、缶コーヒー飲んだり、結局辺りから人気が失せるまでそこにいた。
そしてうちに帰宅した。
こんな時はどうにもならん、俺は由美の何も知らない。
JR国立駅に行ってみたが、街をうろついてコロッケと缶コーヒー飲んでうちに帰った。
自慰行為はしばらく止めてたが、再開した。
またテレクラも再開した。
またセックスもした。
由美の官能を凌駕する性交はなかったが、以前セックスしないで帰したラウと再会してやった。
ミクという肌の白い美しい女の子と付き合ってみた。愛を感じてよきセックスをした。
由美が無くとも仕事をした。
月日流れて秋になった。
ラウやミクとたまに旅行したりした。
由美は俺からかなり離れていった。
今年の11月はやけに雨が多かった。
俺の住まいは、わりと栄えた急行の停車する駅にあった。
勤務してる病院の敷地の隣りに屋敷があって、俺に代を譲った両親は岡山県の郷里に移って、
屋敷には俺と住み込みの家政婦の篠田さんが住んでいる。
篠田さんには旦那さんがいて、病院と屋敷の庭仕事を担っていた。
篠田さんの旦那さんは屋敷に同居せず隣の病院の宿舎で寝泊まりしている。
食事は篠田さんが運んでいた。
俺は不自由無く生活していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます