第2.5話 入学式~君の心を掴む~   彩音

私の人生は普通で平凡の日々だった。今まで付き合ってきた彼氏とは放課後に遊びに行ったりするぐらいでそれ以上のことはなかった。私は、もっとカップルらしいことがしたい。例えば、壁ドン・キスなどなどキュンキュンしたいー。だって一度きりの人生だからもっと青春らしい青春を謳歌したい。だからこの高校への入学を決めた。なぜならあの七瀬財閥の御曹司がいることを知っていたから。お母さんにはまだ2年前の夏にあの御曹司と会ったことを話していない。


2年前の夏、私はまだ中学1年生だった。その夏、父と母は出張でアメリカにいっていたから祖父母の家に3週間だけいた。祖父は松川財閥の会長を務めていてずっとお金には困ったことはなかったけど、私自身の心は満たすことができなかった。私はたとえお金があっても本気の恋はお金では買うことができないと知っていたから。自分自身でも贅沢な悩みだとはわかっていたけどどうしても本気の恋をしてみたかった。その時、出会ったのが同じく両親が海外出張のため私の祖父母の家に泊まりに来ていたのが七瀬財閥の御曹司 七瀬颯太くんだった。なぜ私の祖父母の家に来たかというと私の祖父と彼の祖父が旧友だそうで彼の祖父から1週間だけ頼まれたそうだ。


でもその1週間なんにもなかった。それも、そう。私たちはまだ、あの時中学生。お互いにそんなに恋愛経験もないから……

だから私は約2年間必死に恋愛の勉強をした。もちろん普通に学校の勉強もしてたけど。次あったときに絶対に 七瀬颯太の心を掴んで私と本気の恋をさせると。


でも、想定外だった。2年間頑張ってきたのに颯太くんが白崎 風菜という彼女らしき人と一緒にいて……


それに彼女は清楚でかわいいしー。あの時は顔に気持ちがでないようにしてたけど、私の努力を無駄にしたくない。だから絶対に1年以内に彼の心を掴んでやる。そう決めて入学式を迎えた。




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