【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第17話:磯部ミヒロの前では神々しいモンスター(SSSS級)も無力なのだ
第17話:磯部ミヒロの前では神々しいモンスター(SSSS級)も無力なのだ
「な、なぁ田中……ミヒロちゃん……なんでか知らないんだけど、私、全然さっきまでの記憶がないんだよね。まるで一週間ぐらい時が止まってた気がするような……」
私がカズサさんにお酒をあげてから一時間ちょっとすぎたぐらい。田中さんがしびれを切らして、「幼馴染の私だけが知ってるカズサのつぼ」に何かした途端、カズサさんはすぐに眠っちゃった。
それから私がお酒を飲ませちゃったお詫びということでカズサさんのことをおぶりながら82階まで登ったあたりで、カズサさんはようやく目を覚ましたみたい。
あの猛烈な記憶は全くないみたいだけど。
「後で配信を見返したら全てわかる」
「す、すごかったです……あ、あれが大人のスキンシップなんですね……」
あれからカズサさんにずっとチュッチュされまくっちゃったから、今でも身体中がすごく熱いよ……。で、でもあれを体験したってことは私も大人の仲間入りってことだよね!
「おいなんで教えてくれなんだよ2人とも! り、リスナーたちは何が起こったか教えてくれるよな!?」
———
「さあ」
「しらね」
「何もなかった」
「カーチャンご飯まだー?」
「俺たちは何も見てない」
「酔った勢いで仲間にキスするやつとかいるわけねーよなぁ!?」
「俺のミヒロを返せ」
「切り抜き動画見る配信が楽しみwww」
「カズサは何もしてないよ!」
「はよ続きしろ」
「忘れたふりしてんじゃねーよwwwwww」
「俺たちは壁だ、何も見ていない」
「しーらね!!!!!」
———
「だ、ダメだ……こいつら謎の団結力があるな……。ま、まぁいいや。どうせ疲れて眠ったところを配信で撮られちゃったとかでしょ。気にしないでおこうっと! ミヒロちゃん、私をおぶってくれてありがとう!」
「……う、うん。そういうことにしておこっか」
「か、カズサさん本当に何も覚えてないんですね……」
す、すごいや……あんなすごいことをしたのに綺麗さっぱり覚えてないなんて。普段からあんなことしてるから気にならないのかな?
それともお酒のせいで記憶がすっ飛んじゃったのかな? うーん、私も大人になればわかるのかなぁ?
「しっかしこんなに登ってるのにまだまだ頂上まで遠い……ミヒロちゃん、空を飛べる技とかない?」
「田中さん、そんなものがあれば誰も苦労しませんよ!」
「ど正論キター。でもミヒロちゃんなら本当にありそうでさ、そう思うでしょカズサ?」
「言われてみれば確かに。ミヒロちゃんなら軽く空飛びそう」
「そ、そんな私は超人じゃありません! リスナーの皆さんからもお二人に言ってあげてください、私は普通だって!」
———
「普通なわけないだろwwww」
「え、逆に本当に空は飛べないの?」
「ミヒロでも不可能なことはあったんや……」
「空は飛べないんだな。じゃあワープはできると」
「いや、絶対ミヒロは飛べる」
「みっさんに不可能なことあって草なんよwwwwwwwwww」
「みーちゃんならできる、空を飛ぼう!」
「よかった、共通点が一個あった」
「朗報? 磯部ミヒロ、一応人間だった」
———
う、うう……や、やっぱりみなさん私のこと普通じゃないって思ってるんだ。な、なんとなく察しはついてたけどやっぱりなんだか複雑……。
でもいいもん、これからもっと可愛いところ見せていけばきっとみなさん私を清楚系だって認めてくれるはず!
「もう、みなさん私のことを買いかぶりすぎです! 私は清楚な普通の女の子なんですからね、ぷんぷん!」
———
「清楚(笑)」
「ひっ」
「みんな、みーちゃんに食べられちゃうから民度あげてこー!」
「ぷんぷんって言葉がこれほど恐怖に聞こえたことはない」
「ミヒロのぷんぷんはシャレにならんよ」
「ああ、最後にミヒロの勇姿を見届けさせてくれ!」
「清楚という言葉は恐怖と同義語だったんやな」
———
「あっははははは! 確かにミヒロちゃんのぷんぷんはシャレにならないわw」
「た、田中さんまで何を言ってるんですか!」
「えー、でもこのダンジョンで見てきた活躍を踏まえたらそりゃ恐れおののくで………………げ」
「ん、どうしたんだ田中?」
「2人とも、後ろ」
「ん…………はぁ!?」
田中さんに言われて後ろを見てみると、そこには多分このダンジョンに挑戦してきた中で一番大きくて強そうな鳥? のモンスターが現れてた。
なんだか炎っぽいのを身体に纏ってるけど、熱くないのかな? 焼き鳥にならないのかな?
……あ、なんだか焼き鳥を連想したらお腹空いちゃった。
「なんだよこのモンスター!? め、めちゃくちゃ神々しいと言うか……ラスボスっぽいと言うか……え、こ、こういうのって頂上とかにいるもんじゃないの!?」
「EXダンジョンだから何が起こってもおかしくないし……な、なんかコメント欄に情報ないの!?」
———
「くそでけえwwwwwwwwwwwwwwww」
「あれ絶対SSSは超えてる」
「ミヒロちゃん踏まれたらプチッと潰れちゃうだろこれ」
「特定しました。「不死鳥ホウオウ:SSSS級」です」
「SSSS級!? もう強さがわからねーよ俺は!」
「えー、終わりです」
「いやミヒロなら楽勝だろ。今頃焼き鳥とか連想してんじゃね」
「焼き鳥は草」
「流石に呑気すぎだろ」
「悲報:磯部ミヒロ伝説終了」
———
「SSSS級ってなんだよ……つ、強さがもうわからないって」
「な、なんか知らないけど攻撃してこないしさ。このまま逃げない? 私、丸焦げになるのは嫌だなぁ」
「さ、賛成。もちろんミヒロちゃんもそうしよう——」
「田中さん、カズサさん、焼き鳥ですよ!!! また美味しいご飯が食べられますね!」
「「ミヒロちゃん!?」」
———
「草」
「イカレすぎだろこいつwwwwwww」
「腹ペコモンスター」
「こいつもう悪魔だろ」
「焼き鳥にするのはもったいないぞミヒロ! そいつで空を飛べ!」
「そうだ、頂上でそいつを食べろ! まだそいつには使い道がある!!」
「お前らみっさんが不死鳥倒せると信じてて草なんよwwwwwwww」
「飛べ、ミヒロ!」
「いや、炎の上に乗れねーだろwwwwwww」
「は? ミヒロなら炎吹き飛ばすぐらい余裕なんだが?」
「俺らのミヒロに不可能なんかねーんだよにわかか?」
「我らがジャンヌに不可能はない!!!」
———
「あ、確かにこの鳥に乗っていけばひとっ飛びですね! みなさん頭がいいなぁ〜」
———
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「えへへ」
「ミヒロ俺らのこと褒めてくれるから好き」
———
「あ、頭良くないからミヒロちゃん、ドアホしかいないから。で、でも本当に倒せ……あー……あ、不死鳥ちゃんが……」
「すごい、炎が吹き飛んでさっきまでの神々しいオーラも無くなっちゃった」
「もうミヒロちゃんは神に等しいんじゃないかこれ?」
「間違いない。田中、絶対ミヒロちゃんを敵に回すなよ」
「あ、当たり前のこと言うな!!!」
———
更新遅くなってしまいすみません……。
小説家になろうの方でも投稿しているので、そちらもよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます