【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第15話:腹ごしらえはそこらへんのモンスター(SS級)で済ませよう♪
第15話:腹ごしらえはそこらへんのモンスター(SS級)で済ませよう♪
「ぜえ……ぜえ……い、今何階?」
「……田中、現実を見ろ。まだ73階だよ……ほら、プレートにも書いてる」
「うそだろ……長すぎでしょ」
ショートカットが見当たらず、70階から階段を登ってダンジョンを進んでいってるけど、2人とも結構体力的に辛いみたい。
かくいう私も、ちょっぴり今はエネルギー切れみたいな状態になりつつある。だって……
ぐうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう〜
「……え、今の音は?」
「ミヒロちゃんから聞こえたような……」
「……ご、ごめんなさい。お腹が空いちゃって……鳴っちゃいました」
そう、お腹がすごい空いてるの今! 70階からずっと戦闘が続いてきたから、運動いっぱいしてお腹ぺこぺこだよ〜。
———
「スッゲーでかいお腹の音だなおいwwwwwwww」
「こいつも一応人間らしいところがあるんだなwwwww」
「いや、音でけーよwwwwwwwww」
「顔赤くしてて可愛い」
「俺を食べてくれミヒロ!!!」
「美味しいものいっぱい食べさせてダメにしたい」
「てか何を食うんだよここで? そこらへんにいるモンスターか???」
———
「そっかぁ……ミヒロちゃんお腹空いたのか。やば、なんか私もそれ聞いたらお腹空いてきた。カズサ、なんか持ってない?」
「うーん、お菓子ぐらいしかないや。田中こそないのか?」
「ない。私は配信に使えそうなものしか持ってきてないからな!」
「私は頂上でお料理配信するための道具しか持ってきてないです!」
「……あれ? てことは私たち、ろくに食材も用意せずEXダンジョンに挑戦してたってこと……?」
———
「こいつらアホだwwwwwwww」
「アホすぎてむしろ愛らしく思えてくるわwwwwwww」
「食材をろくに持ってこないでEXダンジョンに挑戦するバカ三人」
「逆になんでこれで攻略まで視野に見えてるんだよwwwwww」
「ジャンヌ、我々を召し上がってくだされ!」
「そこらへんにいるやつ食え」
「配送ドローンで誰かご飯送ってやれよ!」
「その階層にいる牛のモンスター、「牛魔王」食べろw」
———
確かに、リスナーさんたちの言う通りモンスターを食べるしかないよね。みんな食べ物持ってきてないみたいだし。
あ、ここに牛さんのモンスターがいるんだ! それならきっとみんな美味しく食べられるはずだよね。よし、探してみよう!
「田中さん、カズサさん! この階層に牛のモンスターがいるみたいですよ、それを食べましょう!」
「で、でもここにいるモンスターなんか絶対食えたものじゃない気がするんだけど……な、なぁカズサ」
「いや、食べよう」
「カーチャン!?!?」
「だ、だって私のリスナーが……!!!
———
「カーチャンの手料理見てみたい」
「カーチャンが美味しくモンスター食べてるとこみたい」
「カズサちゃん可愛い。モンスター食べて欲しいな★」
「カズサちゃんが世界で一番可愛いよ! だからモンスター食べよう♪」
———
って褒めながらモンスター食べて欲しいって言ってくるんだもん! しないわけにはいかないでしょ!」
「お、お前……ぜ、絶対垢banされるようなえっちなことだけはどんなに褒められてもするなよ!!」
「そ、そんな私は安い女じゃない!」
「褒められてモンスター食べようとする奴が安い女じゃなかったらなんなんだよ!!!」
「田中さん!」
「な、なにミヒロちゃ……」
「牛魔王? ですかね。倒してきましたよ!!!」
「……わぁお」
———
「話の展開が早くて助かるw」
「一応牛魔王ってSS級モンスターだぞ……」
「ですとろいやーちゃんとミヒロにかかれば楽勝なんよ」
「てかでけー……これ女三人で食べきれるのか?」
「これからミヒロちゃんによる恐怖のクッキングが始まります」
「牛魔王、お前はよくやったよ……瞬殺されてたけど」
「ニコニコで引きずりながらバカでけえ牛魔王持ってくるミヒロさんさすがっす」
「お前らもこうならないようにみっさん崇めないとなwwwwwwwwwwww」
———
「田中さん、これはテキトーに切り刻んだらいいですかね? 私、お肉とか自分でさばいたことないんですよ」
「私だってそんな経験ないよ! てかこれ絶対食べ切れる量じゃないでしょ!? な、何メートルあるのこれ……?」
「大丈夫ですよ、これぐらいなら私全部たべれると思います!」
「ええ……そ、その細い身体で……う、羨ましいような怖いような」
「え、えへへ……よくモンスター倒してるからですかねぇ〜。よーし、切り刻んじゃうぞ〜えい、えい、えい!」
どうやったらうまく出来るのか全然知らないけど、とりあえず切っていけば美味しく食べられるよね!
いやー、ですとろいやーちゃんはモンスターをさばくのにもさいっこうの性能を誇ってるから助かるよぉ。いつもありがと、ですとろいやーちゃん♪
「とりあえず食べられるサイズには切りました! あとは焼くだけですね。よいしょっと、このライターを使って……うーん、いい匂い! 田中さん、お先にどうぞ!」
「な、なんか意外と美味しそう。い、いや待て私。どうせ味は絶対美味しくないはず……ここは先にカズサに毒味させよう。カズサ、はい、アーン♪」
「全部丸聞こえなんだよ……でもリスナーの期待に応えないといけないから食べる」
早速カズサさんが牛魔王の肉を口の中に入れる。モグモグとしながら味を堪能しているみたいだけど、お味はどうなのかな……?
「…………ミヒロちゃん」
「は、はい」
「おかわり。これ、めっちゃくちゃうまい。調味料とか使ってない素材本来の味なのに、なんかすっごいうまい」
「ほんとですか!!! ならみなさんいーっぱい食べましょう! 私も食べますね、うーん、ほんとだ、美味しい!!!」
「ほんとかぁ……モグモグ。うわ、まじでうまこれ。よし、ちょっと持って帰って売ろう」
———
「女どもが豪快に牛魔王食ってて草」
「戦闘系企業がすることだろwwwwww」
「ミヒロさんがいるだけで全てがおかしくなるwwwwww」
「やっぱ磯部ミヒロなんだよなぁ」
「なんか俺も牛魔王食べてみたくなった」
「俺はミヒロちゃんを食べたい」
「お前が食われる側だよ。そのままの意味で」
「磯部ミヒロの前では全てが無力であり、彼女の糧なのだ」
———
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