【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第11話:来て、「ですとろいやーちゃん」!!!
第11話:来て、「ですとろいやーちゃん」!!!
「本当にすごいねミヒロちゃん、あのモンスターを一撃で倒すなんて……」
「いえいえ、あれぐらいなら今までいっぱい倒してきたので何も問題ないです! それより早く先に進みましょう、私、早く頂上に行きたいです!」
今の視聴者数は……3万人!!! こんなたくさんの人が私の配信を見てくれているんだもん、そのお礼をするためにも暗くなる前より早く皆さんに絶景を見せたいな!
「でも上にいくための階段はどこにあるんだろう。なんだか畳の部屋しかないよ」
「EXダンジョンだからなにが起こってもおかしくないし。今更怖気付いたのかなあ、カズサさん?」
「そ、そんなわけないだろ田中! そもそもお前はなんで歩きながらパソコンをいじってるんだよ!」
「ん? ミヒロちゃんの切り抜き動画作ってる。せっかくの金儲……ファンサービスの機会を逃すわけにはいかないだろ? それに他の奴らが勝手に切り抜いて金儲けするのが一番許せないからね!!!」
「お前の金への執着心は唯一尊敬できるところだよ……。ミヒロちゃん、階段とか見つかった?」
「うーん、これですかね」
「どれどれ……えっ」
私が見つけたのは、二階まで果てしなく続いていそうな段差の激しい階段。
調べたらこのダンジョンは100階まで続いているみたいだから、この階段がまだまだ待ち構えてるってことかぁ……。でも、いい足腰の運動になりそう!
「無理でしょこれ!!! わ、私の足が死ぬわ!」
「……私も田中と同じ意見。でもこれ登るしかなくない?」
「いやいや、どこかにショートカットできる箇所があるって! てかあってほしい!」
———
「マネージャーいい性格してて草」
「みーちゃんの仲間みんな愉快w」
「はよ登れカス」
「それぐらい簡単に登れるだろ甘ったれんなクソアマ」
「ジャンヌ、そいつらを捨ててお一人でいくのです!」
「戦闘はよ」
「そこの右にショートカットあるよ」
「そこの左にショートカットあるよ」
「ミヒロちゃんのパンツ見せたらショートカットできるよ」
「カズサさんの胸見せてくれたらショートカットできる、かも」
「階段の隣にあるスイッチ押すとショートカットできるよ」
———
コメント見てたら、なんだかショートカットを知ってる人がいるみたい。でも右にとか左とか、どっちが本当かわかんないや……あ!
階段の近くにスイッチがあった! すごい、リスナーさんでこのダンジョンに挑戦したことがある人がいるんだ! よし、押してみーよ。
「えいっ!」
「え、なにしてるのミヒロちゃん!?」
「カズサさん、このスイッチ押すとショートカットできるみたいなんです!」
「い、いやそのスイッチ、なんか見るからに怪しいんだけど。バツマークついてるし…………え、え、え!?」
スイッチを押して数秒後、いきなりダンジョンの中が揺れだして私たちはしりもちをついてしまう。
もしかしてどこかにあるショートカットの隠し扉が開いたとかかなぁ?
「なにこの揺れ……ああ!?」
「ど、どうした田中……あ! み、ミヒロちゃん危ない!」
「え? うわっ!?」
揺れについつい気を取られていたところを、背後から重厚な甲冑に身を包んだドラゴンのモンスター? が手に持った刀で私に斬りかかってきた。2人が呼びかけてくれなかったら気づけなかったかも……危ない危ない。
———
「ジャンヌ、ご無事で何より!」
「なんだあのモンスター、見たことねーぞ!」
「天翔る楼閣だけに生息するやつか!?」
「なんかすげー強そうなんだがwwwwwwww」
「解析したわ。【ドラゴン侍 ムサシ】SS +級らしい」
「ベルゼブブより強いモンスターじゃねぇか!!!」
「絶対変なスイッチ押したからだwwwwwwww」
「ミヒロならきっと倒せる!」
———
「うそ、あれってSS +級なの!? で、でもミヒロちゃんなら……」
「田中、私たちはミヒロちゃんの邪魔にならないよう隅に行こう。……悔しいけど、今の私たちじゃなにもできないから」
「そのつもりだよ!!! ミヒロちゃん、頑張ってー!!!」
「はい、もちろんです!!! ほっ、えいっ!」
さっさと倒してショートカットの道を探そう! そう思って私はすぐに一発パンチをぶち込んだ。でも、重厚な鎧の強度は想像以上に硬くて、そんなにダメージを与えられてないみたい。
「うー手が痛ーい! もう、鎧硬いよ……わぁ!」
ドラゴンの姿をしてるだけあって、炎を吐けるんだこのモンスター。うーん、下手したら2人に炎が当たっちゃうかも。とはいえグーパンだと鎧は壊せそうにないし……。
よし、リスナーさんにはちょっとみっともないところ見せちゃうかもしれないけど……。
ちょっとだけ、本気を出そう。
「来て、「ですとろいやーちゃん」!!!」
———
「え、なんかミヒロが手をかざしたらでけー大剣が出てきたんだけどwwwww」
「なんでもありだなこいつwwwwwwww」
「なんだその魔法みたいな演出wwwwwwww」
「ですとろいやーちゃんとか物騒な名前過ぎだろwwwwww」
「めっちゃかっけぇ……」
「俺もほしいそれ」
「いけえええええええミヒロおおおおおおおおおおおおお!」
———
「あ、みなさん。私の愛剣の「ですとろいやーちゃん」です! 後で色々紹介しますね、ちょっと待っててください。よーいしょ!!!」
「ぐぎゃああああああああああああああああああああ」
———
「あ、一振りで……鎧粉々やん」
「SS +級ですよね?」
「てか自分の身長よりでかい大剣を軽々振り回してるのもおかしい」
「ですとろいやーちゃんtueeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!」
「磯部ミヒロ最強!!!」
「こりゃ紹介が楽しみだぜ」
「むしろモンスターの方に同情するわこれ」
———
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます