【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第12話:ショートカット(命の保証なし★)
第12話:ショートカット(命の保証なし★)
「みなさん、改めてご紹介しますね。この子が私の愛剣、「ですとろいやーちゃん」です!」
【ですとろいやーちゃん】は私がおじいちゃんから譲り受けた特別な剣。私自身は大好きなんだけど、私の身長よりもずっと大きいし、なんか刃先がゴツゴツしてるから皆さん怖がっちゃうかなぁって思ってたけど……。
———
「ですとろいやーちゃんかっけええええええええええええ!」
「男のロマンですやんそんなの」
「俺にくれ」
「名前はダサいけど剣はカッコええ」
「てかどっから出てきたんそれ」
「ジャンヌ、それが我々を導く剣となるのですね!」
「可愛い女がごっつい剣持ってるのがおもろいwwww」
———
皆さんもですとろいやーちゃんの良さをわかってくれたみたい! 嬉しいなぁ、田舎にいた時は幼馴染ちゃんから「いや、もうちょっと可愛いの使ったら?」って言われたりしたけど、この子の良さはわかる人にはわかるんだ!
「えっへへ、みなさんがですとろいやーちゃんのこと気に入ってくれてよかったです! 召喚……あ、こ、この子をどこから取り出したかはごめんなさい、おじいちゃんから言っちゃダメって言われてて……」
———
「召喚?」
「マジでこの女謎が多すぎて草」
「ですとろいやーちゃん可愛い」
「はよ先進め」
「そういえばショートカットどうなった?」」
「召喚超気になる」
「おじいちゃん何者なんだよwwwwww」
「みーちゃんのおじいちゃん絶対普通じゃないだろwwwwwwww」
「ですとろいやーちゃんの今後の活躍に期待」
———
「あ、そうですね! 確かにショートカットはどこに……あ! カズサさん、田中さん、ここみてください!」
「んー? あれ、そこさっきもみなか……なにこれ?」
さっきまで階段を探していた時にはなにもなかったところに、ポツンとそこそこ大きいシーソーみたいなものが置いてあった。もしかして、これがショートカットに使う道具なのかな?
「シーソーだ。懐かしい、子供の時に田中とよく遊んだなぁ……いっぱい怖い思いさせられたけど」
「え、そうだっけ? いやー、私はなーんにも覚えてないやw」
「お前……。でもこんなのどう使うんだ? 全く使い方わかんないんだけど」
「そうですよね……リスナーさんは使い方わかりますか?」
———
「何それwwwwww」
「ジャンヌ、どうやらエアプに騙されたようですぞ!」
「諦めて階段登れ」
「エアプに騙されて乙なんよwwwwwwwwwww」
「みーちゃん、コメントは基本嘘ばっかりだから信じちゃダメだよ!」
「シーソーで飛ぶんじゃね?」
「何事も堅実にいくべきだぞwwwwwwww」
「ショートカットなんかなかったんや」
———
うーん、みなさんもわかんないみたい。やっぱり階段を登っていくしかないのかなぁ……ん?
シーソーで飛ぶ……。
「田中さん。シーソーって、重いものを落としたら飛べますかね?」
「え? ま、まぁ理論上は可能なんじゃ……ま、まさか?」
「そうなんですね! そしたら、私たちが左側に乗って、右側にですとろいやーちゃんを落とせば頂上までいけるんじゃないでしょうか!!!」
ちょうどこの上は天井とか飛ぶときに当たってしまうものがなさそう。それならもう一気にビューンって飛んでいける気がするの!!!
すごい、ナイスアイデアだよリスナーさん!
「なにバカなこと言ってんのミヒロちゃん!?!?!? 正気じゃないでしょ!?」
「なに言っているんですか田中さん、私は正気です!」
「ああ、そうだった……この子の常識は私とは違うんだ……。な、なら多数決で決めよう。それが一番平等だからさ。カズサさーん、もちろん反対だよ」
「行こう」
「カズサ!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?」
「だ、だって私のコメント欄でさ……
———
「カズサならいける」
「カズサが飛んでるとこ見てみたい」
「いけえええええええええええ!」
「カズサさんのかっこいいとこ見せてよ!」
「先輩の意地見せろやカズサああああああ!」
———
ってコメントがいっぱい来てるんだよ! リスナーの期待には答えないと!」
「ふ、普段底辺だからコメントがいっぱい来て正気じゃなくなったのか……! な、なら私はここでおさらば……み、ミヒロちゃん! ちょ、ち、力が強い……」
田中さんが逃げようとしたので、私はすぐにぎゅっと抱きしめて捕まえる。みんなで一緒に頂上まで行きたいんだもん、ここで田中さんが離脱するなんていや!
「田中さんも一緒に行きましょうね★」
「ちょ、は、離して!? あ、し、シーソーに座らせないでぇ!」
「ミヒロちゃん、いけるよ。あれ、でも田中両手で押さえてたら剣投げれなくない?」
「大丈夫です、「ですとろいやーちゃん」はどこでも召喚可能なので! 高いところから召喚すればきっと高く飛べるはずです!」
「もうなにも驚かないよ私は。よし、行こう!」
「はい! ですとろいやーちゃん、お願い!」
一度「ですとろいやーちゃん」を異空間ポケットに戻した後、改めて高いところから召喚する。そして、ですとろいやーちゃんがシーソーの右側に落ちた瞬間。
「うわああああああああああああああああああああああああああああ!」
「うひゃああああああああああああああああああ気持ちいいいいいいいいいいいいいい!」
「………………」
カズサさんは悲鳴をあげて、私はちょっぴり気持ちよくなって、そして田中さんは気絶しながら。
私たちは、楼閣の中を飛んでショートカットしたのです!
———
「やべぇ」
「すげえええええええええええええええええええええええ!」
「ショートカット(命がけ★)」
「よくカメラ付いてこれるな。【テクノロジア】製かな?」
「みんな顔がぐちゃぐちゃでおもれえやwwwwwww」
「みーちゃんが飛んだ!」
「超絶神配信をお届けしてくれる神配信者」
「一生ついていくわ」
「なんか俺らも態勢ついてきたなwwww」
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