第10話:二度目のダンジョン配信、スタート!


「みなさん、こんミロ〜。「たまこし学園」清楚担当の新人配信者、磯部ミヒロです! お元気でしたか、みなさん?」


 配信をするのはもう三度目。やっぱり緊張はするけど、挨拶はそれなりにうまく言えるようになった気がする。ふふっ、可愛く言えたしこれならきっとみなさん私のことを清楚だって言ってくれるはず!


———

「やあ」

「こんミロ〜wwwwwwww」

「清楚(自称)」

「やあ」

「やあ」

「やあ」

「我らがジャンヌのご降臨だ!!!」

「まだ清楚ぶってて草なんよwwwww」

「モンスターぶっ倒すシーン期待してます」

このコメントは削除されました

「いっさんを超えてくれミヒロ!!!」

———


 あ、あれぇ? やっぱりみなさん私のこと清楚だって認めてくれないなぁ。もう、素直じゃない人たち、今日の配信でいっぱい私が清楚だって分からせてあげないと。

 そう言えば今の視聴者数は……い、1万5000人!? すごい人数が私のこと見てくれてる! う、うっへへへ……承認欲求満たされちゃうよぉ〜。


「みなさん素直に私のこと可愛いとか清楚って言ってくださいよ〜。でもいいです、今日、私がいかに清楚で可愛いってことをみなさんに分からせてあげますから!」


———

「ひっ」

「今日は俺らの命日なのか……」

「せめて生ミヒロ見たかった」

「頼む、まだ殺さないでくれ!」

「みーちゃん可愛い!」

「みんなみーちゃんに殺されちゃうから民度あげてこー!」

「ウンウン」

「みーちゃんが世界で一番可愛いよ!」

「みーちゃん最高!」

「みーちゃんのこと清楚って言わない人最低です!」

「ごめんなさい謝るので許してくださいなんでもしますから」

———


 なんだか盛大な手のひら返しされたみたい。コメント欄の人たちの雰囲気がガラッと変わってる。もしかして私怖がられてる? うーん、でもいっか! みんないっぱい褒めてくれるし!


「ウンウン、みなさん分かればいいんです! ではまず今日いくダンジョンのご紹介です。いーっぱいリクエストもらって色々迷っちゃったんですけど……みなさん、ここがどこかわかります?」


———

「え、ここって……」

「みーちゃんそこはまずい!」

「天翔る楼閣じゃねえか!? が、ガチで挑む気かこのあま!?」

「ジャンヌ、そこは危険すぎますぞ!」

「いや概要欄に書いてあるぞお前ら」

「お前らの悪ノリが過ぎたからだぞ、死人がでる」

「最高だよお前wwwwwwwwwww」

「でもこいつならマジで踏破しそう」

「もういっさん超えただろこいつ」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおwwwwwwwwwwwwww」

———


「みなさん鋭いですね! そうです、概要欄にはもう先に書いてあったんですけど、今日挑むのは「天翔る楼閣」です!」


 コメント欄の反応を見るに、やっぱりこのダンジョンはみんなの興味を引くところみたい。

 あんまりダンジョン攻略配信とかは見てこなかったから、ここでいいかなって少し不安だったけど、大丈夫そうで良かった!


「そして、今日も一緒にダンジョンに挑戦する先輩のカズサさんです!」


「ど、どうも〜」


———

「えっど」

「えっど」

「えっど」

「えっど」

「顔めっちゃ好み」

「スタイルエッロ」

「親子かな?」

「まさかこいつもベルゼブブワンパンするぐらい強い?」

「チャンネル登録しました。お礼に胸見せてください」

「百合はよ」

———


「うわ、マジで民度終わってるねミヒロちゃんのリスナー……。私にも流れてきてるけど」


「えー、そんなことないですよ。みなさん愉快で私楽しいです!」


「すごっ、相性抜群だ。でも確かにそれはわかる」


———

「えへへ」

「愉快で楽しいだろ俺ら」

「えへへ」

「みーちゃんわかってんねぇ!」

「お前らちょろ過ぎワロタwwwwwwww」

「えへへ」

「さすがジャンヌ、部下の扱いをわかってらっしゃる!」

———


「みなさん褒められて照れちゃってるんですか? 可愛いところもあるんですね! それとマネージャーさんの田中さん、あ、女性の方がついてきてくれてます!」


———

「さっきみーちゃんが抱きついてたやつか」

「誰それ見たい」

「抱きついてた!?」

「クッソ……見たかった」

「はよアーカイブ見せろ」

———


「もう、その話はなかったことにしてください! さて、それじゃあそろそろ始めますか。みなさん、準備はいいですか?」


———

「え、マジで入るん?」

「今ならまだ引き返せる!」

「いけえええええええええええええええええええ」

「磯部ミヒロの伝説の幕開けだああああああああああああああああああ!」

「誰か通報して止めろ!!!」

「みーちゃん、少しの間だったけどありがとう!」

「ジャンヌ、我々はあなたのことを忘れませぬぞ!」

「準備オッケー!!!」

———


「よし、それじゃあ行きます! ダンジョン突入でーす!!!」


 コメント欄は行けってコメントだったり、止めようとするコメントでごちゃ混ぜになってるけど、もうみんな覚悟は決めてるもん。

 たまこし学園の人気を上げるために、リスナーさんに最高の配信をお届けするために、そして、私がもっともっとちやほやされるために!


 この配信、絶対成功させる! 扉、オープン!


「ぐぎゃあああああああああ!」


「うわああああああいきなりでかいモンスター出てきたんだけど!?」


———

「いきなりヤベーモンスター出てきた!?」

「ミヒロ、避けろおおおおおおおおおおおお!」

「ああああああああああああああ」

「誰か救急隊を呼べ!」

「■■■■■■■■■■

■■■■バリア〜■■■■

■■■■■■■■■■■■■」

「終わったああああああああああああああああ」

「ミヒロちゃあああああああああん!!!」

「ジャンヌううううううううううううう!」

———


「もう、手荒な歓迎は嫌い! えいっ!」


———

「え」

「なんかちょー危なそうなモンスターがグーパンで……」

「こいつ本物や」

「うおおおおおおおおおおおお磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「磯部ミヒロ最強、磯部ミヒロ最強!!!」

「時代は磯部ミヒロだああああああああああああ!」

———

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