【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第8話:私たちはミヒロちゃんの仲間だからついてくよ!(身体中ガクブル)
第8話:私たちはミヒロちゃんの仲間だからついてくよ!(身体中ガクブル)
「それじゃあみなさん、すぐにリクエストもらったダンジョン配信するので、チャンネル登録とグッドボタンよろしくお願いします! それじゃあ、おつミロ〜」
結局、私の配信には一万人ぐらいの人が最終的に来てくれた。みんなコメントをいっぱい送ってくれたりして、すっごく楽しい配信だったなぁ……。いっぱい褒めてもらったし、ウヘヘ。
くふっ、すぐにでもリクエストもらったダンジョン配信したいけど、流石にもう遅い時間になっちゃったから、続きは明日。今日はもう事務所のお部屋で休まないとね。
「田中さん、明日はもちろんリスナーさんからリクエストもらったダンジョンに行きますよね! どこ行くとかもう決まりましたか……あ、あれ?」
「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやびゃああああああああああああああああああああああああああい!!!!!」
ど、どうしたんだろう田中さん。私の配信中もどこか顔色が悪かったけど、終わった途端パニックに陥っているみたいだった。
そんなに私がリスナーさんを集めたことにびっくりしたのかな? でもそれも仕方ないよね。突然あんなに人が集まるだなんて、全然想像できないもん。
ふふっ、これならきっとすぐに田中さんにも恩返しできそう! 早く収益化できるよう頑張って、田中さんに美味しいご飯ご馳走してあげないと!
「カズサさん、明日も一緒に配信してくれますよ……あ、あれ?」
「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたく死にたくない死にたく死にたくなああああああああああああああああああああああい!」
か、カズサさん一体何事!? い、いきなり死にたくないだなんて、何かすごく辛いことでもあったのかな……? で、でも生きていれば必ずいいことに巡り会えるはず、ここは私が慰めないと!
「カズサさん、大丈夫ですよ。生きていれば絶対いいことあります!」
「……はっ! ご、ごめんミヒロちゃん、取り乱しちゃって」
「何かあったんですかカズサさん? 私じゃ頼りないかもしれませんが、相談に乗りますよ?」
「え。い、いやーえっとね……み、ミヒロちゃんが原因というか……う、うん」
「へっ!? わ、私が原因!?」
わ、私また何かしちゃったの!? で、でも配信でもイけないワードとかを言った覚えはないし、誰かを傷つけるようなことをした覚えもないよ……。
じゃ、じゃあまた私の無知がみなさんの迷惑になっちゃったって……コト!?
「ミヒロちゃん。リスナーからリクエストされたダンジョンに行くって言っちゃったでしょ」
さっきの狂乱状態から何とか落ち着きを取り戻したのか、田中さんが水をぐびぐび飲んだ後に何とも言えない表情で私に話しかけてきた。
「は、はい。だってせっかくきてくれたリスナーさんのお願いは叶えてあげたいですし、私もたくさんダンジョン行きたいですもん」
「くう……本当にいい子、いい子なんだけど……。ミヒロちゃん、リクエストもらったダンジョンね、全て最上級危険指定のEXダンジョンだよ」
「……そ、そうだったんですか!?」
EXクラスって私の地元にあるダンジョン「無間地獄」に挑む時のための調整用ダンジョンだよね!?
そ、そっか……ちょっと難しいんだ。リスナーさんにちょっとはしたないところとか見せちゃうかも……また自称清楚とか言われちゃう。
でもおじいちゃん言ってた。「EX程度を軽く攻略してこそ、立派な大人になれる」って。そうだよね、EXぐらい可憐に美しく倒せるように私がなればいいんだ!
「だから色々面倒なことになるかもしれないけどさ、この話はなかったことに——」
「やります!!!」
「「え」」
「リクエストが多いってことは、やればそれだけ注目も集まりますよね? そしたらもっともっと視聴者の数も増えると思います! それに、私のリスナーさんが増えれば事務所全体も盛り上がるはずです!」
「そ、それはそうだけど……い、いくらミヒロちゃんのあの強さでも流石にEXは……」
「大丈夫です! EX程度なら地元で挑戦してクリアしてきましたから!」
「…………(ミヒロちゃんの地元ってどうなってんの?)」
「だから安心してください。それに、カズサさんと一緒に配信すれば、たくさんの人がカズサさんのことを見てくれるはずです。そしたらきっと、優しくて素敵なカズサさんの魅力にみんな気づいてくれます!!!」
「で、でも、私らは流石についていくのきついしソロでやってもらうしか……」
「……私、ミヒロちゃんと一緒に行く」
「カズサはん!? なに言ってんのお前!?」
何だか吹っ切れたかのような、清々しい表情をカズサさんはしていた。そして、私の手をぎゅっと握りしめる。カズサさんの手、少し震えてるけどあったかくて心地いいな……。
「ミヒロちゃんがこんなに事務所のことも考えてくれてるんだよ!? 私だって怖いし死にたくないけどさ、ミヒロちゃんと一緒ならきっとうまく行く気がする」
「い、いやー、でも……」
「私はこのまま底辺でい続けたくない。後輩のおこぼれもらうみたいだけどさ、それでもこのチャンス無駄にしたくないの!!!」
「えー……でもなぁ……」
「私も人気出たら役立たずの田中捨ててミヒロちゃんと一緒に独立するから」
「ちょっ!? そ、そりゃ勘弁ですよカズサさん! つ、ついていくに決まってんでしょ、わ、私たちはミヒロちゃんの仲間なんだからね!」
田中さん、笑いながらグッジョブのポーズしてるけど……身体中ガクガク震えながら言ってるから全然かっこよくない。でも、嬉しい!
またこの三人で一緒にダンジョンに行けるのが……すごく嬉しい!!!
「よし、決まり! そしたらミヒロちゃん、最初に行くダンジョン決めよっか」
「ふふっ、実はもう気になってるダンジョンがあるんです。えーっと……あ、これです!」
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第14最上級危険指定 EXダンジョン
【
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