【詩】書きかけの詩


机の上には

書きかけのうた

未完のまま

その場所で

数年間

時が止まったまま

君は音楽に背を向けたまま


僕がかける言葉は

いつも

心に届かなくて

部屋はすさんでいた


ぐしゃぐしゃに丸めた

原稿用紙が

ゴミ箱に投げ捨てられている

失敗作はゴミ箱の中で

混ざり合う


忘れた頃

宇宙の彼方から

光が届く

灰色の部屋は

輝きを取り戻し

君は

息を吹き返した


 良かった

久しぶりに笑う

ピアノの音が響き

世界は

再び時を刻み始めた


ずっと

ずっと

その光を失わないで


微笑み合う

君と僕



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