【詩】俺たち


最初に会ったのは

高校の入学式だな

バカだと思って

話しかけた


失礼な

お前の方がバカだろ


そういうところがさ

あれなんだよ


は?


今、お前の隣でバカをやれているのは

やっぱり

良かったよ


風が流れるように吹いた

俺たちは

そんなことには気付かずに

バカ笑いしながら

帰った


一瞬のような青春が蘇る

懐かしさの中

あいつの

面影を辿る

その先は

幸せなんだろ?

また

会えるかもな

そしたら

また

友達になってくれよ

もう一度

バカ笑いさせてくれよ

もう一度……

もう一度……


叶わない願いが

当然のように砕けた

記憶だけが

俺たちの

生きた証だった

刻んだ時は確かに

存在していて

あの夜空の星々の間を

流れていた



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