4-10:コーチ
超娘を支え成長させる人。
日本にいるコーチの人数は3600人前後、その中で学園に所属しているコーチは3200人前後となり、更にメインコーチとして活動しているのは2800人程度となっている。
残りの400人程度はサブコーチとしてベテランコーチの下で学んでいる形が多く、それ以外の400人は学園に所属していない個人のコーチとなっている。
個人のコーチは学園卒業後の超娘を責任を持って面倒を見ている類のコーチであり、活動自体はしっかり行っているし、その面倒を見ている超娘が引退した場合は学園に復帰する事もある。
日本には学園が4つあり、東部東京に約900人、西部大阪に約850人、北部札幌に約750人、南部沖縄に約700人程度のコーチが所属している。
学園に所属して高等部にいる超娘は東部東京で約1800人前後、他の3学園はそれより少し少なくなっているが似た形の人数がおり、この数字から見ても解る通りコーチの数は圧倒的に足りていない。
1800人に900人、1人が2人の超娘の面倒を見れば足りる、と言う訳にはいかないのだ。
この900人のうち150人程度はサブコーチ、500人程度が専属の単独の超娘を面倒見ているコーチ、残りの250人がチーム等を率いる複数の超娘を見ているコーチとなっている。
1300人の超娘を250人程度のコーチで見る、1人当たり5人の超娘を見る事が出来れば何とか形にはなる程度だが、ベテランと言われるコーチでさえ基本的には2人か3人、サブコーチを迎えても5人が限度、その5人と言うのもサブコーチが2人位いて何とかと言う事が多いレベルになっている。
ちなみに高等部から卒業し大学に移って活動している超娘も存在しており、その数は大体400人前後、この400人前後も250人で面倒を見なければいけない為、1人当たり7人前後の人数を見なければ成り立たなくなる。
実際の所、チームとして形が作られたコーチがいる場所であれば超娘は5人から10人程度が所属している事もあるのだが、東部東京の学園でさえチームは10程度しか存在していない。
それ以外はチームではない2人か3人の超娘を見ているコーチが多くなっている。
チームを名乗るには最低3人の超娘が必要となり、推奨人数は5人、一応2人以上の超娘を見ているコーチにはメンバーを集めたりミーティングをしたり道具を置いたりする個室が用意されているが余り広くなく、広い部室と呼べるレベルの部屋が欲しければチームを組まなければいけなくなる。
2人規模であれば6畳程度の個室、3人で8畳程度、5人規模でチームを組めば12畳と8畳の2部屋がある部室、7人規模まで上れば12畳と10畳と8畳の3部屋、10人規模までいけば12畳と10畳と8畳の3部屋がある部室を2つ使える様になる。
1人しか面倒を見ていないコーチであれば個室はなく、荷物などは自分の部屋や超娘の部屋において置かなければいけない。
仕事場所も個室や部室を持っているコーチはそこで行う事ができ、ほぼ個室か部室で活動する様になる。
個室等を持っていないコーチは職員室で他の教職員や、同じ1人しか面倒を見ていないコーチ達と一緒に集団で活動する形となっている。
ちなみに専属やチーム等のコーチではない共用トレーニングを行うコーチもおり、そう言うコーチは引退した超娘と結ばれたコーチが多く、その超娘から専属やチームに入るのは出来れば止めて欲しいと頼まれた結果、共用のトレーニングを行うコーチとして活動している者が多い。
どうしても仕方なければ無理にとはどんな超娘も言わないが、やはり担当してしまうと自分の夫となってくれたコーチに新しい妻が出来る可能性が高いのでそれをなるべく防ぎたいと言う気持ちがそれなりに強くそう言う形になっている。
共用のトレーニングを行うコーチは5人から10人前後、引退したりする事もあったり、担当していた超娘が引退しその流れでそちらに回る場合もあって大体そのあたりの人数となっている。
専属担当のコーチが見ている超娘の数が約500人前後、チームや複数担当のコーチが見ている超娘の数が約600人程度、残りは担当がいない共用トレーニングを担当しているコーチに見て貰う形となる。
それだけの数をその人数で見なければいけないのだ、画一的な1人1人にあったトレーニング内容を決められる訳もなく、超娘は自身で考えながら足りない部分を補うトレーニングを行わなければいけない。
この事からも分かる事だがコーチの数は圧倒的に足りていない。
これは日本に限らず世界各国全てで共通する事で、コーチの増員は急務とされているがそれが叶う事はない。
日本でいえば年に1人でも新しいコーチが誕生すれば良いレベルであり、下手すれば0と言うのも珍しくない。
稀に5人等の通年と比べれば大きな数のコーチが誕生する事もあるが、大きな数と言ってもこの当たりが限度となっている。
そして増えはしないのに引退するコーチはどうしようもない、人は年には勝てないのだ、必死に頑張りながら60歳から70歳前後まで頑張るコーチが多いが、大概は40代で引退する事が多く、毎年1人以上の引退者が出ている。
辛うじて微増傾向にありはするが、ここ10年で増加したコーチの数は8人前後、10年で8人だ。
これは引退者と新人コーチの参入を合わせた数なので、純粋に増えた数で間違いないが、どうあがいても急激に増員が叶う等奇跡が起こってもほぼ起こりえない事となっている。
超娘の生涯に近い物を抱えなければいけなくなるのだ、当たり前だが相応に重く、それに耐えうる肉体と精神と技術を持たなければコーチとなれない。
それ故にコーチとなる難易度は非常に高い、高すぎると言っても良い。
コーチの資格取得には高校卒業資格に加え、コーチ育成専門学校による3年の教育時間と試験による合格が必要とされ、難易度は医師免許や総合職の国家公務員資格、公認会計士資格等の数十倍の難易度とされている。
例外的に超娘に限っては引退後に経験を踏まえた結果、コーチ育成専門学校に通わずに試験に挑み合格すれば資格を取得する事が出来るが、その目的は自身を担当してくれていたコーチのサブコーチとなり虫除けになる為な事がほぼ全て。
ちなみにコーチは専門学校所属時代に公認会計士、司法書士、税理士、弁理士等の法律系の資格を複数取得する者が7割を超え、法律系ではないIT系の資格や語学系資格を複数取得する者も多く存在している。
と言うよりもその手の資格を問題なく取れる程度の力量が無ければコーチの資格取得はほぼ無理な程度に資格取得は難しくなっている。
大前提で超娘の為の医療知識、医療技術、栄養士等の資格は全員が必ず取得する。
通常の医師免許と違い、超娘の為の医療系資格は専門学校に所属して3年目から取得が可能となっている。
資格所持者のコーチの仕事は超娘に合わせた最適なトレーニング教導、怪我等を行わせない肉体作り、それでも怪我をしてしまった場合の復帰までの治療やリハビリ、超娘が自身で行えない場合の食事の組み立て、超娘のコンディション調整がまず第1で大前提。
トレーニング業務以外で大事な仕事は各種事務仕事、超娘が参加する競技への登録から取得した賞金の獲得方法、それらに関する税等の管理、超娘のグッズ販売や必要に応じて特許等の申請、海外などに行く場合等に必要な条件調整から宿泊施設やトレーニング施設等の準備、テレビやラジオ、ニュースや新聞、インタビュー等の調整と選択等と軽い触りでも最低はこの程度の仕事が必要になる。
最終的に超娘のトレーニング業務を5、事務仕事を4.9、それ以外を0.1前後、残った僅かな部分に私事を行う位の忙しさとなり、そのハード具合は並大抵ではない。
故にこその資格の難易度とそれに耐えうる肉体と精神を持つ者でなければいけないのだ。
数が少ない理由となる。
それ故にコーチとなり学園に所属する事が許されたコーチの給与は比較的高い。
まず新人コーチはベテランのコーチや学園の共用コーチのサブコーチとして活動する事が多く、これが最低限のランクとなるが、それでも40万程度の手取りを確保出来る。
次に中堅レベルのコーチになれば専属ないしチームでのサブコーチ等にあたり、このランクになると60万前後、これに加え専属コーチの場合はコーチングしている超娘が競技に勝利した場合賞金の5%前後(これは超娘とコーチの契約により変化する)獲得できるようになる為、一気に収入はあがる。
ベテランになれば専属コーチ、複数の超娘の専属コーチ、チームのコーチリーダー等がそれにあたり、基本給だけでも80万前後、これに加えコーチングしている超娘の勝利に応じた賞金からも入ってくるためその収入は非常に高い。
新人コーチでも稀に、本当に極稀にではあるが運命的な出会いの元で超娘と出会い、コーチとなる場合もある。
そうなると新人であっても中堅コーチと同等の感覚で扱われ、中堅コーチよりは基本給は下がる物の50万前後は貰えるようになる。
これがさらに難易度が上がるが、競技の上位層ないし、個人競技等であれば格の高いレース等の勝利超娘コーチとなる事が出来ればその扱いはベテランコーチと同等にまで上がっていく。
基本給自体はそれでも70万程度とどうしても長年の経験と経歴を持つコーチに及ばないまでも扱いはベテランと同じ位の上位と扱われる事が多い。
まぁ当たり前だが嫉妬等の感情を抱かれる事も多いが、コーチと言う種族はある意味頭の可笑しい存在の方が多いためその手の輩はあまり多く無い。
奇跡的に伝説と言えるレベルの記録等を残す超娘を育て上げられれば、ベテランの更に上の扱いにまで上る事もあるが、そんな事は宝くじで1等を数回連続で当てるより難しい。
そう言う事もありコーチは裕福だ、と言う事にはならなかったりもする。
コーチという存在は、ある種もう一種の種族染みた存在になっている事が多く、自身の資産=超娘をより強く、より健やかに、より美しくや可憐に成長させる為使う物であると言う考えが根付いてしまっている。
超娘が獲得した賞金は通常であれば自身のトレーニング用具、シューズであったり重りであったり体操服であったりその手の物に使う事を考えられているのだが、コーチがいる場合超娘はこの手のお金を自身で出す事が出来なくなる。
コーチがそれは将来の自分の為に使うんだと使わせず、ただ遊び等に使うなら自由に使える形で、遊び以外のトレーニングに関連する類や、競技やその打ち上げ等に関する類等に限ればその一切合切がコーチの負担で行われる事がほぼ10割近い。
超娘が競技に勝ち、数十万ないし数百万の収入を得たとしても、打ち上げなどと称して食費だけでも数十万は当たり前、複数誘ってのパーティーじみた物になれば百万単位も容易に超えてくる費用が掛かる。
それ以外にも宿泊施設、合宿費用、機材以外によるトレーニング器具、それら全ての一切をコーチが自腹で用意している事が多い。
学園としてもそれらに関しては一定の負担をすると宣言しているのだが、ベテランになればなるほどそれに頼る事を良しとせず、自身が定め認めて貰ってコーチをさせてもらっているしているのだ、外部に頼っては自身が育てる超娘に顔向けできようか? そんな考えでそれらを利用する事をしないで全部自身の私財で賄う事がある種誇りにもなっている位だ。
こういった事が当たり前にまかり通り行われている為、超娘のコーチはもうコーチと言うある種の別種族の存在なんだと言われる事が多い。
こういう背景がある為、担当していた超娘と結ばれる事が多く、結ばれた超娘がサブコーチになり頑張って新たな妻が増えない様にする事があるのだ。
超娘関連に関して、特有の法令があり超娘に限って複数婚が認められたりもしている。
超娘以外の普通の人との複数婚などは認められていない。
コーチは基本的にどんなに若くても21歳以上であり、21歳でコーチとなれる存在はエリートと言っても過言ではない。
多くは2郎から3郎しての資格取得が殆どで、5郎程度までは普通の範囲として受け入れられている。
そんな事もあり28歳位までは若手、新人と扱われる事が多く、新人として学園に所属したほぼ9割近くのコーチはベテランコーチのサブコーチとして活動し始める。
残りの1割程度が奇跡的、運命的に超娘と出会い、専属担当を行い、新人ながらメインコーチとして活動するが、その数は非常に少なく珍しい。
超娘も自身の成長方向や未来が掛かっている為、新人よりはベテランのコーチに面倒を見て貰いたいと願う事が多いので、新人が普通に超娘を見て声を掛けても受け入れられる事は少ない。
新人よりは経験を積んだ上で流れてくる共用トレーニングのコーチの方が信頼度は上となっている。
そう言う前提がある為、新人で実績等がない状態からメインコーチとして専属の担当を迎えられるのが珍しくて奇跡や運命等と呼ばれる形となっている。
サブコーチとして3年から5年程度、早い者であれば2年程度の経験を積んで漸くメインコーチとして活動する事が出来る、と言うのが通常の流れ。
ベテランコーチの元で詰んだ経験と、サブコーチとして面倒を見ていた超娘の話し等で信頼度が稼げる為、そう言うコーチが声を掛ければ余程才能があるタイプの超娘でもなければ2つ返事で担当になる事を受け入れる事が多い。
初めてメインコーチとなれる年代は28歳前後から32歳前後が多くなっている。
メインコーチとして3年程経験を積んでようやく新人と言う括りから抜けられ、中堅コーチと認められる様になり、メインコーチをしてから大きな実績を上げられていれば3年から6年程度でベテランとしても認められ、大きな実績が無ければ9年から12年程度かけて漸くベテランの仲間入りとなる。
例外は本当の新人、21歳や25歳前後で奇跡的、運命的に担当超娘を迎えられた上で大きな実績を上げた場合、23歳や27歳程度であってもベテラン扱いのコーチとして扱われるようになることもあるが、十数年から数十年に数人いるかいないか程度。
コーチとは超娘の為だけに存在するある種の新種族見たいな物だとコーチと言う存在を詳しく知る者は告げるだろう。
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