登場人物紹介 そのおしまい
日比野秋人
日本に帰還した男子高校生兼男神。
男神たちが復活するために、信仰集めの道具として異世界に拉致された。
女性から支持を得るために、可能な限り他者へ優しい男性が必要となり、目をつけられる。
異世界転移に伴い、肉体の強化、女性への敵意の喪失、女性との関係が一定以上に進むことへの忌避、危機意識の喪失などの改造を受ける。
帰還後は、最愛の女性たちと本当の家族となる。
また、異世界の存在を認識した現代世界では、両世界の橋渡しの最重要人物として丁重に扱われ、一躍時の人となる。
本人としては、両世界を行き来できるし、みんなとまた会えてラッキーくらいの認識。
日比野ソラ
日本に移住した女神。
実は囚われの姫だったかわいい愛犬。
男神たちとの戦いで神へと昇華したため、少女の姿が固定されて狼の姿を失った。
その代わり、森から解放されて秋人と共に日本に移住することが叶う。
秋人が毛皮を求めているため、シルビアに相談して狼の姿に変化する魔法の研究中。
人間の姿でも平然と首輪をつけるし、秋人には鎖を握ってもらって散歩している。
世界中にその姿を知られているが、もうそういうものだと諦めていただきたい。
彼女が禁域の森を統治しなくなったことで、森は現在絶賛王座争奪戦中。
彼女が統率していたときよりも、危険で近づきがたい場所になったのかもしれない。
日比野アリシア
日本に移住した元聖女で元勇者。
明るく元気でやかましい。移住早々に日比野家のムードメーカーとしてかわいがられている。
逆セクハラのような発言の数々は現在も健在だが、男神の制約から解放された秋人はわりと受け入れているので、肝心なところでいつもヘタれる。
神の使いとして働かないか提案されたが、次の仕事はお嫁さんなのでと断っている。
イーシュとリティアとは、今でも交友関係は続いている。
というか、元女神と聖女を振り回している。
日比野シルビア
日本に移住した古竜の元女王。
日比野家の最年長でまとめ役。なのだが、秋人の母にはシルビアちゃんと呼ばれ、娘としてかわいがられている。照れくさそうにしているが満更でもなさそうだ。
日本に移住するに際し、竜の特徴をどうするべきか悩んでいたが、異世界そのものが世界中に知れ渡ったことで、もはや正体を隠す必要は無くなって一安心している。
男女問わずファンが多いが、特に女性からはお姉様と呼ばれてあこがれの対象となっている。
故郷である竜王国ルダルは、立派な王が統率しているため、もはや異世界での自分の役割は終わっていると、枯れた発言をしている。
日比野ルピナス
日本に移住した妖精の少女。
女神たちのはからいによって、人間と同じ大きさになった。
サイズ感の違いに戸惑いつつも、秋人と並んで歩けることにご満悦。最近ではよく秋人に抱きついている。
その特別な魔法は、魔法にうとい現代世界でも大いに注目されており、建築業界に革命を起こせる人材として、慎重な扱いを受けている。
――実は、ルピナスがいれば、建築関係の仕事はすべて一人で賄えるのだが、さすがにそれは内緒にしている。
日本に移住してからも、四人の精霊とは友人のまま。
四人の精霊と遊んでいる神秘的な姿の少女として、本人たちの知らないところでファンが急増中。
フウカ、ヒナタ、チサト、ミズキ
両世界を気ままに旅する精霊たち。
自身の属性となる現象あるところならば、どこにでもいる。
しかし、意識はどこにあるのかはまちまちであり、彼女たちに出会えた人は幸運とされている。
元来精霊とは自由で気まぐれで一つ処に留まらない存在なのだ。
だけど、秋人やルピナスが呼んだら、いつでも遊びに駆けつける。それも彼女たちの自由である。
イーシュ
異世界の元女神様。
最も新参で、最も苦労し、最も世界を愛した女神。
他の女神たちの復活のために、秋人を騙して信仰を集めさせ続けた。
その罰により、他の女神たちから神の力を剥奪され、亜人の女性として生きている。
死後、ふたたび女神となることが約束されているため、実際は長年苦労したイーシュへの長期休暇のようなもの。
リティアのところで世話になっているが、アリシアに振り回される者同士、苦労人同士、気の合う友人となっている。
ルチア
日本に移住準備中のエルフの女性。
意外なことにその後押しをしたのは、幼馴染のエルフであるミーナだった。
村と国をミーナに任せることに罪悪感を覚えるも、さっさと押し倒してしまえと笑顔で見送られる。
周りは若い子たちばかりなのに大丈夫だろうかと考えていたのだが、よく考えると自分より若いのは聖女だけだったと気がつく。
きっと苗字に日比野がつく日も、そう遠くはない。
ミーナ
禁域の森のエルフの村の村長。
見た目とは裏腹にとても頼りになる村長であり女王。
初恋こそ実らなかったが、その人が生まれ育った世界から、たくさんの男性が訪れることとなり、虎視眈々といい人を探している。
フィル
ツェルール王国の女王。
王女時代から国家の実質の代表であったが、勇者を率いて悪しき神々と戦ったことで、ついに女王に就任した。
後に歴代最高の女王と評される彼女の治世は、これより始まることとなる。
リティア
ツェルール王国の聖女。
女神たちの復活により、神託というかもはや過保護に女神たちに世話されている人間。
苦労していた出来事はすべて女神たちが解決してくれるので、これではだめだと思っている。
しかし、そんな女神たちが唯一対処しきれない、アリシアの襲来は友人のイーシュと二人で対応しなければならない。
聖女の仕事は、善人の暴走を止める仕事ではないと、今日も女神たちに抗議している。
アカネ、ウルシュラ、イオ、エルマ、カリカ
禁域の森に住む族長たち。
王のいなくなった森で、支配者を決めるという名目で戦いに明け暮れている。
森もすっかりと変わり、新たな住人たちも増えているのだが、この五人には逆らわないことという暗黙のルールもできている。
日本に移住した友人に寂しさを覚えつつも、彼女ならば向こうでも元気でやっていけるはずだと、戦いの後のお茶会で仲良くおしゃべりをしている。
ノーラ
鍛冶の国ドルーレの女王。
そろそろ職人に戻らせろと、先代女王に女王を押しつけられた。
当初は断るつもりだったのだが、異世界との交流をする際に女王という地位のが便利なのでは? と脳みそをフル回転。
国を統治しながらも、かつての弟子がこの世界と異世界をつなぐ親善大使として、自分の国に早くこないかなと待ち続けている。
そんなことしなくても、会いにいけばいいのにと言ってはいけない。彼女の中では、いまだに先生と弟子という厳しい関係を続けているつもりなのだ。
その関係が途絶えた瞬間に、おそらく彼女の姓は日比野になることだろう。
マルレイン
世界間の貿易に、いち早く目をつけた商人。
元々商才はあったため、今では巨大な商会ギルドを立ち上げている。
ごくまれに、男性作製品というだけで法外な値段をつけるのが玉に瑕。
定期的にフィル女王に資産を寄付して、ツェルール王国に使うようにと言伝している。
本人は調子に乗らないようにするためと言っているが、かつての罪の償いが今も続いているのだろう。
一条和之
日本人に帰還したおじさん。
秋人同様に異世界を知る貴重な人物であり、その恐ろしさを語れる重要人物。
世界間の違い、異世界への認識の甘さが招く弊害。それらは、世界中が欲している情報であり、それが正しく活用されることは、彼の望みでもある。
自分のような人間を出さないためにも、異世界交流審査の最高責任者として日々忙しそうにしつつも、どこか楽しそうでもある。
ビューラ
竜王国ルダルの国王補佐。
実はお姉ちゃんっ子の真面目な古竜。
女王代理として長年勤めていたため、真面目堅物な性格を思われがち。
一皮むけばただのシスコンだということは、あまり知られていない。
現在は、竜王の補佐として、やはり真面目な仕事ぶりを見せるが、かつてよりは心に余裕があるのか、柔らかい雰囲気となっている。
アルドル
竜王国ルダルの竜王。
男神との戦いを経て、国民たちの誰もが認める王となった。
妻であるギアとともに、ルダルを豊かな国にするために尽力しているが、その目的はルダルを訪れる異世界人を増やすため。
あわよくば、第二第三の秋人のような友人を作ろうと、彼は不器用ながらもがんばっている。
なお、奥さんとお子さんはとても多いようで、彼の最初の親友はそれを聞いた瞬間に思わず、アルドルさんと呼んだらしい。
ラピス
竜王国ルダルの重鎮。
愛とはなにか、強さとはなにか、様々なことを考えるようになった古竜。
その美貌も相まって知的な美女に見えるのだが、やっていることはギアへの絡み酒である。
どうやって、愛する人と一緒になったのか? どうすれば、愛する人にふさわしい自分になれるのか?
彼女は今日も悩み続け、考え続けており、その姿に見惚れる異世界人たちが続出している。
ギア
竜王国ルダルの竜王の第一婦人。
アルドルの第一婦人として、彼の多くの妻と子の面倒を見ている。
もはや、ルダルで逆らう者がいないほどに偉い立場となった古竜。
自分はそんながらじゃないんですけどね~と言いつつも、面倒見のいい彼女は、今日も家族の世話を焼く。
シャノ
獣王国プリズイコスの元女王の虎獣人。
現在は、女王の座をフィオに譲り、自身は禁域の森へと移住した。
禁域の森の族長たちに喧嘩を売っては、敗北することを繰り返しているが、本人は女王のときよりも楽しそうにしている。
実は、禁域の森の族長たちは、定期的に魔力を多分に含んだ神の実を摂取しており、シャノの成長速度でも追いつけないほどに強くなり続けているのだが、本人はそれを知らない。
それに、もしも知ったところで、彼女はその実を口にすることはないだろう。
彼女は、日々楽しく戦えればそれでいいのだ。
フェリス
獣王国プリズイコスの女王側近の狐獣人。
先代女王から引き続き、女王の補佐として重宝されている。ある意味では、プリズイコスで女王以上に重要な人物。
新しい女王があまりにも常識的で、暴走することもなく、なんなら戦いを好んでいないため感動すら覚えている。
だけど、神にふさわしい女性になるにはどうすればいいか聞くのはやめてほしい。
そんなこと、さすがに答えようがなく、いつも困っている。
フィオ
獣王国プリズイコスの女王の猫獣人。
シャノから直々に女王となることを命じられたため、それを受け入れる。
どうやら、彼女にも思うところがあったらしく、女王として日夜国のために行動している。
たまに、神と王ではまだ遠い? ならば、自分も女神にとつぶやいているのだが、それに関わってはいけない。
どこかの狐獣人のように、神にふさわしい女性とはなにかという答えのない問いに苦しむだけなのだから。
女神たち
異世界がより豊かになるよう管理しながら見守っている女神たち。
一つ変わったのは世界の者たちとの交流を深めるようになったこと。
神と神以外はもっと近い存在であることが今後の世界のためである。そんな女神たちの総意により、彼女たちは隣人のように人々へと接している。
なお、罰とはいえイーシュから神の力を剥奪することになったが、そもそも自分たちの責任によるところが大きいと悩み続けている。
当のイーシュは、むしろ肩の荷が下りて楽しそうにしているのだが、それはそれ。
イーシュのため、世界のため、自分たちができる罪滅ぼしとして異世界の繁栄のために尽力している。
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