第2話  育った環境

あれから何年たっただろうか。

主人との関係は相変わらず仲良しだ。

キスも毎日している。

恥ずかしながら告白すると

毎日お風呂にも一緒に入っている。

セックスも多くもないがレスでもない。


私が高校1年生の時、

家の電話は父親が盗み聞きできる親子電話

だったので近くの公衆電話から

高校の親友のめぐみへ電話をしていた時 

男が2人車から降りて電話中の私の方へ

近づいてきた。

私は友人にお金がなくなってきたから

電話を切ると伝えていた時だった。

男の1人が10円玉2枚をくれた。

いや、いらないと言って電話を切って

電話BOXを後にした。

当然男たちはついてくる。

背の高い男が話しかけてくる

ナンパだ。

こんな時間に外でちゃダメだよ〜

何歳?いろいろと聞いてくる

無視、無視、

でも、家まではすぐ近く。

このまま帰ったら家がバレてしまう。

少し遠回りをしようか

歩きvs歩き

逃げれない、どうしよう。

家の前まできたけどUターンして

また電話BOX方向へ歩いた。

そこには男たちの車があった。

これからどこか行く?

背の高い男が言った。

20円を出してきた背の低い男が

「植木に水をやる用事があるから帰るわ」

そう言って2人は帰って行った。

無事に家に帰れた。

次の日学校でめぐみにあれから大丈夫だった?

と、聞かれ、

植木に水やるからって帰って行ったよ。

って話したら

「変な人。けど和恵が無事で良かった。

心配してたんよ〜

先に彼氏ができたらどうしようって」

高校生らしい会話だ。

私は両親が嫌いだった。

賭け事好き、女好き、酒好き

サイテーの父親と

居酒屋のママの母親

お客さんとイチャイチャしてて

気持ち悪かった。

だから母親がいなくて父親がいる夜には

家にいたくなくてめぐみとの電話のために

公衆電話へ行っていた。

ある日あの時の背の低い男がいた。

1人だけだった。

無視してめぐみと電話した。

終わってもまだ居る、どうしよう。

しばらくして

ワンピース(TV)が始まるから帰ると言った。

なんじゃそれっ 

次の日まためぐみに話したら

やっぱり変な人扱い。

今でもはっきりと覚えている主人との出会いの時だ。

それからも何回も会っていた。

だんだんと話すようになった。

家も教えて送ってくれるようになった。

地元の5年先輩だった。

ある日いつもの電話BOXが騒々しかった。

乱闘騒ぎがあったらしい。

しばらくして先輩が負傷して入院したと聞き、家に電話をしてみた。

本人が出た。

「えっ?入院したんじゃないの?」

「今日、退院した。」

「ケガ、大丈夫?」

あまり大丈夫じゃないと言うので

心配だったから電話したと伝えて

すぐに電話は切った。

それから数日間気づいたらめぐみとの電話よりたかくんに会いたくて電話BOXに向かっていた。

そう。主人の名前は

たかくん

付き合おう、そう言われた訳ではない。

けど毎日会った。

数分だけの為に会いに来て20時には帰った。

宿泊の学校行事以外は毎日会った。

家を出たくてバイトを始めたけど

帰りは送ってくれていた。

家の事はたかくんにも話していた。

家族を悪くは言わなかった。

高校生3年生の時に母親が離婚届を置いて家出した。ドラマのような日だった。

浮気ばかりしてた父親は怒り狂っていた。

私も怒鳴られ、殴られ、毎日が怖かった。

ある日学校へ兄が迎えに来た。

母親のところに逃げるように言われた。

もう荷物も運んであった。

母親は仲が良かったお客さんの男の人と一緒に住んでいた。

どっちの家にも居場所はなかった。

でも、母親のところを選んだ。

たぶん、父親に殺されると思ったんだと思う。

ドラマだ。

結局、私が学校から尾行されて家はバレた

ある日、インターフォンが鳴り、出たら父親だった。

とっさに、

「母親はいない。帰れ」

と言った。

「お前は新しいお父さんの味方か」

と言われた。

「あたりまえだ」

と答えた。

台本がなくても言えた。

家に入ろうとする父親をなんとか阻止して外に出して帰らせた。

母親とお客さんは部屋の隅で隠れるようにしていた。

「情け無いやつ」

その思いとは逆にお客さんは父親面してきた。

「うざっ」

早く卒業して家を出たかった。

就職して教習所に通った。

免許の試験の日たかくんが運転免許試験センターまで送ってくれた。

結果は合格。

たかくんが乗っていたセカンドカー

ダイハツのミラをくれた。

明日からこれ乗ってって。

なんて人なんでしょう。

ありがたく受け取った。

この日はホントに感動したわ。

働きだして家にはシャワーと寝るだけの毎日、一人暮らしをしたと思って家賃分を貯めた。


両親が仲がいい家庭に憧れていた。

めぐみの家もたかくんの家も温かい家庭だった。

居心地が良かった。

きっと神様はたかくんと結婚させるために

あんな父親のところの子供にしたんだと思った。

父親身長180センチ超えの超イケメン

イケボイス

大嫌いだけどモテる要素はあると認識していた。

たかくんは150センチほど男性からすると低いよね。

結婚相手にはどうかな?

「身長が高くても家族を幸せにできない。

身長は関係ない。大切にする心だと思う。

たかくんは大切にしてくれるか?」

兄に言われました。

「すごく大事にしてくれてる。

これからもずっと大事にしてくれると思う。

ありがとう」

何も問題ないね。

成人式を迎えて同級生にも久々に会って

楽しい時間を過ごした。

2月お腹に子供もがいる事がわかった。

たかくんは喜んでくれた。

プロポーズの言葉は

なかったなぁ

結婚するのが当たり前のようにすぐに結婚式をした。

4月12日挙式

その日からこの家に住んでる。

一人っ子のたかくんの義両親と同居だった。

おばぁちゃん子だったので同居でも心配なかった。

両親が揃ってる家庭に入れば

きっと私たち離婚はないね。

そんな思い込みがあった。








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