あの時からずっと疑ってます

@pocky412

第1話  1回目の誤爆メール


今、入院中の私には時間がある。

どのくらい残されているのかは

神様のみが知っている。

あの日からずっと気が狂いそうで

何か行動を起こしそうで自分が怖い。


神様お願いします。

主人の不倫をやめさせてください。

私のところに戻って来ますように。


神様にお願いした。

毎日毎日何回もお願いした。


でも、神様でも人の心は

どうにもならない事に絶望する。


もう15年も前の話しから始めます。

その日は会社の飲み会でした。

夕方主人から電話が鳴り

「今、仕事すんだよ。今日は飲み会よな?

気をつけて行っておいで」

「ありがとう、行ってきます。」

直後に主人からのメール

〜はなちゃん、長いこと待たせてごめんなぁ

今、仕事終わったよ。〜

はっ?何これ?

まさか、浮気してるの?

〜どういう事?〜

すかさずメールを返したけど返事はなし。

すごく心臓がドキドキして手が震えた。

何も考えられず、とにかく携帯を握っていた。

主人から電話が鳴った。

良かった、でも、出れなかった。

この時結婚15年目

結婚してすぐに生まれた娘はもう高校生、

2歳離れた中学生の息子がいる。

とても仲の良い家族だ。

やさしい夫と子供達は反抗期もなく、

コミュニケーションはしっかり取れている

家族だと思っていた。


仕事はいわゆる同族会社。

兄が経営している。

私は経理担当。

私が飲み会に欠席するわけにはいかない。

どうしよう?どうしたらいい?

こんな時相談する友達、同僚、上司、両親、

周りには誰もいない。

相談する内容すらない毎日を過ごしてした。

それぐらい毎日が幸せで充実していた。

飲み会は乾杯がすんだら帰ろう。

とにかく会場へ向かっていた。

もう一度主人からの電話。

無言で出る。

ママごめん、ごめん。びっくりしたよな。

ちょっと電話を貸してたからその子が彼女へのメールをママに送ったみたい。

その子と変わるから話しして。

「あっもしもし奥さんすみません。

僕のせいで離婚とかになったら

嫌なんでほんとにすみませんでした。」

なんだ、そうだったのか。

そうだよね。

パパが浮気なんかする訳ないよね。

良かったぁ。

飲み会は最後まで参加した。

帰宅したらいつもと変わらない主人と

子供達がいた。

いつもと変わらない家庭。

私にはそう見えた。

数日後、

娘の彼氏から誤メールがきたらしく

二股が発覚した。

幸いにも相手と別れたいとの内容だったので

「ちょっと聞いてよ」

って言う話しだった。

パパからもあったんよ。

笑い話しの延長ぐらいの気持ちで

メールを見せた。

娘の顔色が変わった。

「そんな訳ないじゃん」

えっ?

まず、メールはアドレスを入れないと

ダメだからめんどくさいわ。

電話を借りたなら電話で話をするのが当然。

絶対にあやしいよ。

そんな事を言った後で


まぁパパが浮気とかしてたら

人間不信になるわ。


そう言って娘は出かけて行った。

心臓のドキドキが止まらなかった。

飛び出す勢いだった。

1人で過ごす時間。

嫌でもあの日の事を思い出す。

毎日仕事で遅いのは会ってるのか?

イヤ

〜長いこと待たせて〜

って事は会ってないのか。

今夜もう一度主人と話してみよう。


子供達が寝た後

娘とのやりとりの話しをしてみた。

やさしい主人が急に不機嫌になった。


携帯が電話料金を払ってなくて使えなくて

彼女と連絡を取りたいので携帯を

貸して欲しいと言われ、渡してたので

何がどうなってママにメールを送ったのか

わからない。

ホントにそれ以上はわからん。

人の電話じゃから間違えたんじゃないんかな?


少し機嫌が直っていた。


もう一つ聞いてみた。


なんでメール?


電話すればいいのに


確かに。

まだ、彼女が仕事でもしてたんじゃないんかな?

知らんけど 笑っ


何笑ってんの?笑い事じゃない。

イラっとした。


もうひと押し


でも、メールって

知らん人からのメールだから

俺だけど電話借りてます。

って入れんとパパからのメールになるよな?

その彼女からのメールの返事はなかったん?

なかった。

俺は電話を貸しただけ

俺たちが喧嘩する必要なないよな

もう終わりにしよう。

おやすみ。


いつものおやすみのキス。


すっきりしたのかしてないのか

キスですべてが帳消しになった。



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