星空の下で。

暗い帰り道。

暗い地面。

暗い気持ち。


重い足。

重い頭。

重い鞄。


ああ、疲れたな。


ああ、眠いな。


でも、家まではまだかかるな。


ひんやりと冷たい風が吹く。

その風に煽られように、僕は上を見上げていた。

立ち止まり、ただ見上げていた。


綺麗な、とても煌びやかな、とてもとても美しい、

星々が夜空に浮かび上がっていたんだ。


写真には、収められない、そんな星空が僕の頭の上には浮かんでいた。いや、散らばっていた。


疲れている足が、暗い道が、その星々に照らされているような気がしたんだ。


家に帰ったら、ゆっくり休もう。

       ゆっくりしよう。


そして、星空の下で眠るんだ。


明日という朝日が昇る前に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る