第4話 対決と啓示

アリンの葉は、世界樹の中心を飲み込もうとする渦巻く影の塊、闇の存在を見つめて震えていた。空気は緊張に包まれ、森そのものが息を止めていた。


「アリン、あなたはかつてそうであったことから隠れることはできない。」


「隠れているのではない。私は立ち向かっているのです」アリンは答えた。その声は安定しており、周囲の葉の震えとは対照的だった。「あなたこそ、かつて私が闘った闇なのです」


確かに、しかし思い出してほしい。私とともに戦い、同じ闇を浴びた。


アリンの枝は硬直した。「あれは違う人生、違う時代だった。私は昔の私ではない」


「ああ、でも人は自分の本質から本当に逃れられるのか?あなたは戦士で、争いを楽しんでいた。今のあなたは?単なる苗木で、その場に根を下ろし、無力だ」。


「私は見た目以上の人間だ」アリンは反論した。「私は学び、一つの形の枠を超えて成長した。私の根は深く、すべての生命とつながっている。あなたの闇はそれを汚すことはできない」


枯葉がざわめくような音で、その実体は笑った。「木にしては大胆な言葉だ。だが、私に何ができる?剣も振るえないくせに」。


「お前と戦うのに剣は必要ない。世界樹の生命力、森の団結力、長年の知恵がある」


「それで私を倒せると思うのか?私はあなたの一部よ、アリン。お前の闇、怒りだ」。


アリンの樹皮は固くなり、毅然とした盾となった。「そうだ、君は私の一部だ、だが私は君によって定義されるのではない。私は自分のすべての部分を受け入れる-光と闇を」。


実体は咆哮し、アリンに向かって闇の波を送った。しかし彼女はしっかりと立ち、その根は彼女を支え、大地、水、空気、そして世界樹の核の奥深くにある火から力を引き出した。


「これは私の領域であり、私の戦いである。私は征服のためではなく、均衡のため、生命のために戦う。」


闇は彼女とぶつかり合ったが、アリンはそれを吸収し、彼女の葉は輝かしい光を放った。彼女はただの戦士でも苗木でもなく、すべての生命を守る守護者だった。


「私を倒すことはできない。」


「私はあなたを倒したくはない。私自身を癒したように、あなたを癒したいのです」。


その瞬間、森はとても純粋な、とても深遠な光で輝き、実体の闇さえも消え始め、癒しの力、統一の力、再生の力に覆い隠された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る