第17話 やってることが変質者……

「会いたかったっす!兄貴~!!」


この成人男性的な見た目の奴がファルドなのか!?


「ほ、ほんとにファルドなんだな?」


「はいっす。兄貴を「兄貴」っていうやつ俺しかいないっすよ!」


まじか……なんで……ってあ!もしかして……


「なんでなんすかね!森を探索中、急に体が光出して……気づいたらこの姿に……」


絶対「擬態変化」のせいだろ……

というか、なんでヴァルだけじゃないって教えてくん無かったんだよ!?


〈………………話す隙がなかったので……〉


俺のせいか!?これ、俺のせいか!?


「とりあえず、お前のそれは俺のスキルの効果だ。」


「あ、そうでしたか~。さすが兄貴!」


全く疑わないのもどうかと思うが……まぁ、主人の命令に従順なのはいいことだ。


「そしてファルド、仲間はどうした?」


「ああ……それなら……」


「お~い。たいちょ~う!持ってきやした……っとご主人もいらっしゃったんすね。」


「連れてきたか?」


「はい!」


ファルドと同じく成人男性の体つきをした男がまた来たのだ。

おそらくゴブリンたちだろう。


「それで……なにを連れてきたって?」


「 吸血鬼です 。」


…………………………一回頭の整理をしよう。

……………………ふー、で、ツッコませて……………………


「誰が吸血鬼仲間にしろ言った!?」


しかもまだ夕方だぞ……日が出てるのに連れてきたのか!?


「今、日が出て……」


「ああ、「日光耐性」がある吸血鬼なので大丈夫だと思います……」


「日光耐性」!?それは……もう吸血鬼ではないのでは……?


「こういう種族もいるのよ。覚えときなさい。」


「っち、うるせぇ~なぁ~。この世界来たの昨日なのに……」


そうだよね?この世界来たの昨日だよね?

それにしてはなんか3日目で「ガルド」占領できるとか……ある意味すごくね?俺。


「しかし本当にすごいな主人は……この世界に来たばかりだったんだろ?」


「ああ、昨日だ。」


「「「昨日!?」」」


おいおい、リルナ!


「リルナ、お前は知っていただろ?」


「い、いや……特にその詳細は聞かされてなかったから……」


「本当に兄貴はすごいっすねぇ~……あ!来たようです!」


「「「ファルド隊長。連れてきました!」」」


おお…がたいのいい男たちが女を拘束して連れてきている……誘拐!?


「おい、お前ら!?それ完全に犯罪者……ってモンスター捕まえるのに犯罪とかないか……」


「そうね……やってることは完全に変質者なんだけど……」


「裁けない……」


「ど、どうして僕たちを裁こうと……」


「「「完全に変質者だからだよ……」」」


「それで……使役化はしていいのか?」


「はい!もちろん!この吸血鬼は多分「上位種」です。」


ふ~んってこの子が!?

明らかに嫌がっているこの女の人。

俺の目から見ると20代前半の今のヴァルくらいの身長だ。

ただ、年齢については……吸血鬼って長寿だから実年齢は分かんないけどね。


「よし、じゃあ行くぞ。「魔物使役」。」


「うううぅぅぅ……」


〈魔物「上位ヴァンパイア」の使役が成功しました。

魔物「上位ヴァンパイア」が魔人「ヴァンパイアエルドファイス」に進化しました。〉


「「ヴァンパイアアエルドファイス」??」


「「なんだって!?それ神話に出てきた最強のヴァンパイアじゃ……」」


「ん~~と……伝説の安売りセールじゃないか~!!!」


第17話終わり

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