第4杯 実食
厨房から、醤油ラーメンと餃子と炒飯のセットが出来たぞと言う声が聞こえて、
テリーは、サラリーマンとの会話を一時中断して、品物を取りに行った。
「お待たせしました、醤油ラーメンと餃子と炒飯のセットです」
配膳用のワゴンに品物を載せて、
電動ワゴンカートに乗って、運転してサラリーマンの席まで、運んで来た。
「このワゴンカートの荷台から、品物を取り出せば良いのかな?」
「はい、申し訳ありませんがお願いします」
サラリーマンは、テリーに、そう言われて、ワゴンカートの荷台から、自分の注文の品を取り出す。
「ご注文の品物は以上になります、こちら、伝票になります、ごゆっくり、
お食事を楽しんで下さい」
テリーは、サラリーマンが、品物を取り終えたのを確認してから、伝票を置き、
その場を離れてワゴンカートを指定の場所に戻しに行った。
「さて、問題のラーメンと餃子と炒飯のセットが、来たわけだけど、
見た目とニオイは、めちゃくちゃ良い匂いが、漂って来る、
取りあえず、餃子から、行くか、ん、何これ」
「お客様、如何しました?」
サラリーマンの反応に慌てて駆け寄るテリーだった。
すると、サラリーマンは。
「めちゃくちゃ、美味過ぎる、このニラ餃子、今まで、どの店の餃子より、
断トツで1位に入る美味しさだ、次は、炒飯だ」
サラリーマンの反応に安堵してテリーは、元の場所に喜びながら戻って行った。
「炒飯も、旨い、米のパラパラ具合も理想的だ、油も下にたまっていない、
水分量も丁度良い、美味い、ラーメンは、どうだ?」
「なぁ、テリー」
「なぁに、トラ?」
「このお客様、ひょっとしたら、この店の救世主になるかもしれないぜ」
「そうね」
テリーとトラは、今回来店したお客様に、この店の分岐点を感じた。
「何これ、このラーメン、スープが、クリアな醤油色をしている、どれ、味は、んん、透き通る旨さに、魚貝系の出汁と複数の鰹節の味と豚肉と鶏肉と野菜類の旨さが、スープを一口飲んだら流れ込む、麺はどうだ?
うぉ、この麺も美味い、
細麺でちぢれている上に麺のコシも有ってスープに合っている、美味い」
サラリーマンが、料理を完食して、レジに向かって行った。
「ご馳走さん、美味しかったよ、でも、この店、全然お客来ないね」
「実は、開店当初は、お客様が、一応来店は、有りました、けど、
当店は、ぬいぐるみの調理、接客ですので、入った途端にお戻りになりまして、SNSでも、悪評が立ちまして、それ以来、この店は、閑古鳥が住み着きまして、
この様状況で有ります、申し遅れました、イヌのぬいぐるみのベルと申します、
以後、当店のご贔屓を」
ベルからのこの店の現状報告を聞いて。
「良かったら、俺が、宣伝しても良いかな?無理だったらしません」
サラリーマンの提案にベルは、内線で、弁護士に連絡すると、強面のヤクザ顔の男性弁護士が、慌てて降りて来た。
「ベル、この店救世主が、来たって本当か?」
「はい、こちらのお客様ですよ、芦屋弁護士」
「お客様が、当店での初めての完食者になります、ありがとうございます。
ちなみにどのような文書構成で」
強面のヤクザ顔の迫力満点の弁護士に泣きながら、サラリーマンの手を握り感謝を伝えた。
「あの~この店の味は、めちゃくちゃ美味いですよ、この味を宣伝して、
最後に、この店は、度胸の有るお客様のみ完食出来ます、とこう載せようと考えております」
サラリーマンの提案に弁護士は、文面をしっかり確認してから、掲載の許可を出した。
ちなみに、会計は、セット割が、適応され950円だった。
「またのご来店をお待ちしています。是非ご贔屓に」
サラリーマンが、発信した、内容のSNSが、後日とんでもない事に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます