第5杯 混雑

数日後、サラリーマンが、再び、ぬいぐるみ亭を訪れると、そこには、


「なんだ、この、行列は?先日まで、閑古鳥が、居座っていた筈のぬいぐるみ亭にこんなにもの行列が?」


サラリーマンが、再びラーメン店に来ていた、その光景を見たサラリーマンの目を疑った。


「ここだろ、某SNSで、話題のラーメン店、ネットで騒がれている店」

「そうみたいね、入り口の貼り紙の内容が同じだもん」


列に並んでいるカップルが、入り口の貼り紙を見て確信するのだった。


「次、2名でお待ちの佐藤様、中へどうぞ」


テリーが、カップルを店内に案内した。


「よう、テリー」


サラリーマンが、テリーを見つけて、テリーに声を掛けた。


「あっ、サラリーマンのお兄さん、この度は、ありがとうございました。

お陰様で、繁盛してきましたよ、ありがとうございました。」


テリーが、サラリーマンにお礼言った。


「良いって、俺は、純粋に美味しいと思ったら、広めたい主義だからね」


サラリーマンが、にこやかに、そして、爽やかに言った。


「そう言えば、お兄さんの名前を、まだ、聞いて無かったよね?」


テリーは、未だに名乗らないサラリーマンの気になっていたのは、

テリーだけじゃなく、店全体が、気になっていた。


「あれ?名乗って居なかったけ?」


「はい、まだお聞きしておりません」


「そう言えば、そうだったな、俺の名前は【山潟 颯真】《やまがた そうま》

だ、趣味で、美味しかった店は、店の許可を取って、SNSにupをしているのだよ、

そこそこ、名が、知れ渡っているのだよね~。俺の事は、気軽に、ソーマと呼んでくれよ」


「!?おい、今、ソーマって名前が聞こえなかったか?」


「俺も、聞いたぞ、あの、インフルエンサーの、どこだ、どこで聞こえた!」


「私も、聞いた、食通で、的確なコメントで人気の!」


「彼の、アレンジレシピ、美味しいんだよなぁ~」


「彼の紹介した、飲食店は、彼が、紹介前の飲食店を倒産寸前に現れて、

彼のSNSにupすると、数日以内には、行列が出来て、

あっと言う間に入店が、困難になるくらいの人気店に昇格して、

彼らからは、福の神と呼ばれている、人物が、何処に?」


「ソーマさんって、かなり有名人なんですねぇ~」


行列に並んでいるお客さんの情報を聞いた、テリーは、喜びで、

ニヤニヤしながら、張本人を見るのであった。


「何の事やら、俺は、自分で食して、美味しかった店をSNSでupするのが、

趣味だから、気にするなよ」


ソーマが、そう言うと、テリーは、お辞儀して、店内に戻って行った。

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