第2話応援部①
私立啓明高校は、部活が盛んな学校だ。
運動部は、全国大会で何度も優勝してる。特に、男子バレー5連覇中らしい。
他の部活も結果を残してる。
なぜそんな学校に、俺が入学したかというと。
単純に家が近かったからだ。
それに、姉である
国立に行くほど頭は、あいにく持ち合わせていなかった。
そんな感じで、割と適当に学校選びをした。
その付け、といえばおかしな話だが。付けが来た。
部活選びだ。
運動は苦手だし。特に、絵が好きとか、料理がしたいとかないわけで。決めあぐねていた。
俺は家が近いのもあって、いつも学校にはギリギリ遅刻しないぐらいに着く。
それは、津成さんも一緒で昇降口で会った。
「あ、黒瀬君。おはよ」
「あ、ああ。おはよ」
昨日の、ことがまだ頭に残っていて上手く返事が返せなかった。
昨日。
「私、何って言ってた?」
「え?だから。その・・・・」
津成さんは、顔をこちらに近づける。
白いきれいな肌。気怠げだが確かにこちらを見つめる大きな目。
「その〜」
こんなの、意識しないほうが難しい。
俺は後退りすると、それに合わせて津成さんは一歩前に出る。
これは試されているのか?
さっきなんて言ったか言ってみろ。みたいな。
「ごめん、何でもない」
結局、発言の真意を知ることなく折れたのだ。
「もう、始業ギリギリだよ。急がないと」
津成さんは、手早く靴を履き替える。
俺も、やばいと思いぱっと履き替えた。
廊下を早歩きして、チャイムと同時に教室に入った。
「セーフ?」
津成さんは、斎藤先生に確認を取ると。
「セーフ」
との判定が出た。
「が、もっと余裕をもってこい」
怒られてしまい、教室に笑いが起こった。
目線を気にしながら、席に着こうとしていたら。
「あ、津成。昨日はスマンかったな」
斎藤先生は、津成さんにいちご飴を2つ渡した。
「おー、ありがとうございます」
津成さんは、目を輝かせながら貰った。
「えー。津成ちゃんだけずるーい」
クラスに批判が上がったが、本人はピースしている。
「あ~あ。やかわしいわ」
斎藤先生は、学級日誌を振って仲裁する。
「あ、今食うなよ」
思い出したかのように、言うと津成さんが振り向き。
「食べてません」
右頬膨らませながら言った。
もちろん、めちゃくちゃ怒らた。
「う~。怖かった」
津成さんは、そう呟きながら席に着いた。
俺は、先に席に着いて説教を席から見ていた。
「災難だったな」
「うん」
津成さんは、コロンと飴を転がし言った。
放課後、俺は一人部活見学の赴いた。
何個か、候補を決めてきた。
流石に、一個も行かないわけにもいかないだろう。
まずは、写真部を見に行った。
「失礼します。部活見学したいーーーー」
扉を開けると、薄暗い部屋で数名の男子生徒がマジマジと水着の女性の写真をスクリーンに映して見ていた。
俺は、勢いよく扉を閉め。目頭を押さえ。
「よし、次行こう」
写真部を後にした。
後ろから、「ノックぐらいしろーー」と、聞こえてくが無視した。
「あれでいいのか?」
などと、言いながら俺は部活棟と本棟を繋ぐ渡り廊下を歩いていた。
あの後、何個か部活を見たがなんともしっくり来なかった。
もう既に、何個かの部活が終わったのか帰路に着いている生徒もいる。
「俺も帰るか」
ほんとは、もう一つ見学に行こうと思っていたがやめた。
もう、斎藤先生に決めてもらってもいいと思い始めた。もちろん写真部は嫌だが。
それにしても、今日見学でも一回も津成さんを見かけなかった。
と、中庭に目を向けると一人の女子生徒がサッカー部のユニホームを干している。
だが、その生徒の身長的に物干し竿は少し高い。
一生懸命背伸びをし、取ろうとしていた。
「あ~、落としちゃった」
女子生徒は、そう言いながらユニホームを落とした。
あ~あ、やっちゃたな。
などと思うが、別に助けはしない。
実際、あの生徒のことを知らないしサッカー部に知り合いがいるわけでもない。
すると。
「大丈夫?」
津成さんが、女子生徒に話しかけていた。
「あ、ありがとう」
女子生徒は、頭を下げ落としたユニホームを拾う。
俺が眺めていると、津成さんと目があった。
津成さんはこちらに手を振り。
「お~い、黒瀬君ちょっといい?」
手招きされ、やっと俺は動いた。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう」
女子生徒は、またお礼を言った。
拾い集め、洗濯かごに入れる。
枚数から、50枚近くあって重いだろう。
「どこまで運ぶ?部室?」
俺は洗濯かごを持ち上げる。
やはり、かごはかなり重い。
「いや、私が運ぶから」
女子生徒は、洗濯かごを取り上げようとする。
「また、落とすつもり?」
そう言うと、「うっ。」と、図星をつかれたように顔をしかめる。
「じゃあ、お願い」
「うん。そうした方が良い。体育館に行こう」
津成さんも、付いて来るつもりみたいだ。
サッカー部の部室がある、体育館に向かおうとしたとき女子生徒が止める。
「まって、体育館じゃなくて。応援部の部室にお願い」
「「応援部?」」
俺たちは、声を合わせて首を傾げた。
おまけ
写真部員A「ヤバい、見られていしまった」
写真部員B「早くコレクションを隠せ、奴らが来るぞ」
写真部員C「先輩、奴らって・・・?」
生徒会役員A「生徒会執行部だ。不適切物があると情報があった」
写真部員A・B「逃げるぞ」
生徒会委員B「一人確保しました」
写真部員C「先輩ーー、助けてーー」
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