第9話 猫カフェ

俺は何か分からない感じだったが。

女子2人は何かを決心して頷き合いながら納得していた。

まあ良いか、と思いながら俺はその姿を見る。


そして俺達は揃って帰宅した。

すると夢が俺に向いてくる。

そして真剣な顔になる。


「お兄ちゃん」


「.....?.....夢。どうした.....そんな真剣な顔して」


「.....私はこれからどうしたいんだろう。.....先の夢が全然描けない感じ」


「夢が描けない?.....それはどういう意味だ?」


「.....ゴメン。何でもないや」


そして夢は自室に行ってしまった。

俺は?を浮かべながらだったが。

その姿を目線で追う。

何かを悩んでいるのだろうなきっと。



そんな感じでその日は過ぎたのだが。

翌日になっての休み。

朝9時に叩き起こされた。


誰にかと言えば元気になった夢に。

お兄ちゃん!私とのデートの感覚を覚えている間にデートしなさい!、と。

それから玄関から放り出された。

何がしたいんだ!?


「マジかよ.....どうしろって言うんだ」


俺は眠気で用意した姿を見て荷物を見て眠気まなこを擦りながらも。

取り敢えずは、と歩き出す。

それから2件先の鳴の家に向かう。

そして呼び鈴を鳴らした。


『はーい』


「.....よお。俺だが.....」


『ほ!?うえ!?どうしたの!?』


「.....デートしたいって言ってたよな?.....その。.....えっと」


『.....え.....それ冗談で言った.....というか本当に.....してくれるの?』


「じゃないと家に帰れないんで」


『.....え?』


訳が分からない、という感じで反応する鳴。

取り敢えずは出て来てくれるか、と言うと.....玄関が開く。

それから目をパチクリした鳴が居た。

俺はその姿に、よお、と返事をしてみる。


「コニチハ」


「何をお前さんはぎこちなくなっているんだ」


「.....い、いや。その。まさか。今からデート?」


「.....そうだな。.....今日の用事は?」


「.....特にな、無いけど.....」


じゃあ俺と外に一緒に出掛けないか、と鳴に言うと。

鳴は、わ、分かった、とモジモジしながら答える。

俺も赤面してしまう。

その姿に、だ。

それから鳴は、今日は.....ひ、暇だから、とゆっくり答えた。


「今日は大丈夫.....だよ」


「.....そ、そうか」


「ど、何処に行く?」


「.....そうだな.....特に決めてないが.....」


「じゃ、じゃあ準備してくる」


そう言いながら準備をする為に玄関の中に戻った鳴を見送る。

突然だし、時間が掛かっても良いから、とゆっくりめの返事した俺は鳴の前の.....不審者扱いされない感じで外で待つ事にした。

そして夢とメッセージをする。

するとそんな夢からは、気を付けて、とメッセージが。

俺はその言葉にスタンプを送る。


「.....やれやれだな。アイツの事もそうだが.....」


思いながら居ると。

今度は何故か鳴からメッセージがきた。

それから、今日は本当に大丈夫?、と書かれている。


何が、大丈夫、なのか分からなかったが。

俺は、ああ大丈夫だぞ?、と返事を書いて返信。

すると鳴は、じゃあ.....夢ちゃんは?、と記載があった。

何で夢が出てくるのだ?


(夢がどうしたんだ?何故.....?)


(.....あ。いや。やっぱり良いや。大丈夫だよ)


(もしかして今日の事か?アイツも知っているぞ?)


(だからこそだよ)


(え?)


(.....まあ良いか)


全く分からんのだが。

根本を教えて欲しいんだが?

まあ良いかって何が良いのだ。

思いながら首を傾げていると.....ドアが開いた。

そしてバタバタと準備したかの様な鳴が出て来る。


「お待たせ」


「ああ。可愛いじゃないか」


「.....そうかな?エヘヘ」


Tシャツの様な服装に.....所謂.....若い女性が持っている様な小さめなバッグ。

そして.....帽子を被っておりジーパンを履いている。

あれま格好良い。

思いながら俺は.....鳴を見る。

見惚れてしまった。


「.....そ、そんなに見られると恥ずかしいかも」


「.....うあ!?す、すまん」


「似合っているかな。私。おかしいかな」


「.....いや!全然!全くおかしい場所はない!」


「.....本当に?何だかテキトーに言ってない?」


「違うぞ。お前さん」


俺は慌てながら否定する。

しかし格好良い系か.....これは予想外だな。

可愛い系で攻めてくるかと思ったのだがコイツにしては予想外だ。

思いながら俺は見ていると。


「じゃ、じゃあ行こうか」


「.....そうだな。.....ってか何処に?」


「.....うーん。猫カフェ」


「.....猫カフェ.....ああ。それ良いかもな」


「私が好きだから。どうせ志布は何も考えてないでしょ?」


「.....まあうん。軽く追い出されたので.....」


準備もへったくれもない。

思いながら俺は額に手を添えていると。

その、と声がした。

そして歩きながら居ると見上げてくる。

俺は首を傾げた。


「何だ?」


「いや。.....ねえ。志布。恋したい?」


「.....恋?.....いや。.....この前も言った通り今は良いかな」


「.....そっか」


そこで話は終わり。

そのまま俺達は街中の中心にある猫カフェに向かう。

それから店を見上げる。


ビルとビルの合間にある様な感じの猫カフェ。

俺は、ふむ、と思う。

入った事無い。

この場所に通り掛かった事は何度もあるが。


「.....この場所は2ヶ月前からのお気に入りなんだ」


「もしや絵も描けるから?」


「よく分かったね。廊下辺りに画廊が併設されているの。店員さんに許可を貰って勉強しているの」


「それは良い感じだな」


そんな会話をしながら俺達は猫カフェに入る。

すると大量の猫と一緒に。

いらっしゃいませ、と声を掛けられた。

そうしてから同じ女性の店員に、あれ?いらっしゃい、と鳴は言われる。

バンダナを首に巻いている、エプロン姿の様な美人の女性。


「姫路雪乃(ひめじゆきの)さん。通ってたら仲良くなっちゃって」


「そうなのか。.....俺は元就です。.....元就志布です」


「紹介のあった通りです。.....私は美術の短大生です」


「宜しくお願いします」


「それで早速ですが貴方が彼氏さんですか?」


思いっきり噴き出した。

何を言っているのかな?

思いながら鳴を見る。

鳴も大慌てで真っ赤になって反応した。

何を言っているんですか!、と。


「あれ?鳴さん。でもその服装といい今日はデートじゃないの?」


「で、で、デート.....」


「真っ赤になって可愛いねぇ」


「.....ふぁ」


鳴は使い物にならなかった。

完全に脳がショートしている。

俺は顎に手を添えて考える。

ふむ、どうしたものか、と、であるが。

誤解が誤解を呼んでいる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る