第7話 ぎこちない態度

翌日になった。

放課後の話だが.....俺は夢とデート(?)をする事になり。

俺は中学校から少しだけ離れた中央公園で待つ。

ここから激安スーパーまで少しの道のりなのだが。

でもな。


「.....しかしまぁ」


何故俺が.....妹と一緒にデートしなくては.....、とは思うが。

でもアイツは妹ではない。

実際の所、幼い頃から一緒には居るが血が全く繋がってない。

他の奴らから見れば、それって赤の他人だよね?、って話になる。


つ、つまりだが。

俺は義妹と付き合ってもおかしくはない。

それは、赤の他人、だから。

何か頭がグラグラするんだが.....?


「わっ」


「うわぁ!!!!?」


「何やってんのお兄ちゃん?ボーッとして。私が前から来たのに気が付かないなんて」


目の前を心臓の鼓動を、脈拍を速くしながら見ると。

セーラー服の義妹が立っていた。

夢である。


俺はボッと赤面した。

火が転倒したかの様に.....。

すると義妹は?を浮かべて見てきた。


「お兄ちゃん?何を赤面しているの」


「.....お前な。多少は考えてくれ。お前は義妹だ。俺は義兄だ。なら恥ずかしくなるのは当然だろう」


「まあそうだけど.....私の事好きなの?」


「違うって。.....ああもう面倒だな」


「.....冗談だって」


それから俺は、分かってんなら良いけど、とそのまま歩き出す。

すると夢が俺の手を握ってき.....ぉう!?

何すんだ!!!!?

思って夢を見ると.....、ほらほらお兄ちゃん。一生懸命やらないと、と笑顔になってくる。

俺は、そんな無茶な、と思いながら居ると腕に自らの腕を絡み付けてきた。


「おいおいおいおいおい!!!!?」


「お兄ちゃん。前を見て歩くの。.....じゃないと彼女さんに嫌われるぞ♡」


「お前本当に俺が好きじゃないんだな!?それは本当だな!?」


「?.....当たり前でしょ。だってお兄ちゃんだもん」


「じゃ、じゃあおかしいのは俺か?」


「そだね」


「実直だな!」


何!?俺がおかしいのか!?

そう思いながら俺達は激安スーパーに来た。

それから大根とか胡瓜とかほうれん草とか見ていく。

やっぱり安いもんだなこのお店.....、と思っていると、あ。お兄ちゃん。はい。アーン、とかやってくる.....ウォ!?


「試食」


「.....それは分かるがいきなりアーンすな!」


「恥ずかしいの?これぐらいで?」


「これってぶっ飛んでね?ちょっと」


「.....うーん?そうかなぁ。ホテルにゴーぐらいするよね?」


「お前がぶっ飛んでいる!」


勘弁してくれ!

これ分かったコイツが純潔なせいだ。

あまりにぶっ飛んでいる。


思いながら俺は赤面しつつ見ていると。

あ。これ安いね、と言いながら夢は購入する。

その姿を見ながら思う。

俺がおかしいのか?、と。

こんなに恥ずかしがるのが。


「お兄ちゃん」


「な、何か」


「.....今日のお夕食何がいい?」


「ああ。そういえば今日は.....遅かったな。2人とも」


「そだね」


俺は、うーん?、と考える。

そして夕食の会話とかをしながら購入する。

それから外に出ると.....トイレに行きたくなった。

その事に、トイレ行ってくるな、と夢を見る。

夢は、うん、と手を振った。


「.....」


うーん。俺がおかしいのか。

思いながらそのままスーパーの男子トイレを借りてから中に入った。

それから2分ぐらいしてから戻ると。

何故か夢の姿がない。

その場に居るかと思ったのだが?


「.....?.....夢ー?」


そんな感じで呼ぶと。

何故か目の前の路地裏に夢の姿があった。

そして何故か3人組の男どもに絡まれている。

何だありゃ、と思いながら見ていると。

ちょっと。私、待っている人が居ます、と夢が怒った様に話す。


「そんな事良いじゃん。俺らが、ばいしょう、すっからよ」


「行こうぜ」


「そうそう。俺達と一緒が楽しいよ」


大学生かな?

まあ夢ってなんかあんな感じで昔から絡まれるよなぁ。

可愛いから。


考えながら見ていると。

おっと。いかんいかん、と思ってしまった。

そして俺は夢の前に出る。


「ああ。すいません。その女子、俺の連れです。妹です」


「は?.....お前が?」


似てねぇよ、と爆笑する3人組。

だよなぁ、と思いながらも、じゃあまあそれでも良いんで、と夢の手を握るが。

待てよ。嘘吐くんじゃねぇよ、と絡まれた。

囲まれる。

あー.....これは。


「この人はお兄ちゃんです」


「.....妹だ」


「.....冗談は顔だけにしろ。似てないからな」


大学生の1人がそう言う。

そして俺はそのまま引っ張られる。

面倒臭い、と思いながら3人組を見る。


すると、じゃあこっち行こうか、と夢を連れて行こうとする。

口を塞がれた。

俺は!と浮かべながら夢を見る。


「夢!」


そして夢は抵抗する。

俺はその中で目の前の奴に憚れる。

困ったな.....、と思って俺は大学生を見る。

威圧としては勝てない。


「夢を離してもらおうか。.....俺の妹なんで」


「.....離さないけどな。あの子は俺らと遊ぶんで」


「.....」


俺は大学生を見る。

すると、つーかお前が帰れよ、とバッシングを受けた。

溜息を吐いて、夢は俺の家族だ。そして俺の大切な義妹だ。見捨てる訳が無いだろう!!!!!、と俺は大学生の隙をついて夢を確保した。


「.....お兄ちゃん?」


夢は恐怖で泣いていた。

俺は、そのまま夢の手を優しく引いてから。

お前らこそもう帰れ、と言う。

そして見ていると。

ファンファンファンと音がした。


「?.....警察か?!」


大学生が俺を殴ろうとした時。

サイレンの音に大学生の1人がそんな声を発した。

すると、やあ、と声がする。

それは.....長谷川だった。


「.....お前、長谷川!?」


「うん。ゴメンね。何か通り掛かったらクズどもに絡まれていたから」


「すまん。.....助かった」


大学生は、クソッ。覚えてろよ、と駆け出して行く。

俺はその事にホッとしながら警察官を見る。

すると夢が俺を抱き締めて来た。

体がブルブルと震えている。


「.....怖かった」


「.....ああ。もう大丈夫だ」


そしてそのまま俺達は警察に事情を聞かれてから。

長谷川にお礼を言ってから帰宅する。

夢は恐怖を感じた様でずっと俺に縋っていたが。

途中で離した。

そして静かに歩き出す。



「.....お兄ちゃん」


「.....何だ?夢。ゴメンな今日は」


「.....それは良いんだけど.....」


帰宅後。

何だかずっと赤面で俺に対してモジモジする夢。

熱でもあるんかコイツは。


リビングで勉強していた俺は?を浮かべて夢を見る。

すると夢はボソッと、有難う、と言ってきた。

本当に今回は怖かった、と腕に手を添えて話しながら。


「.....ああ。.....ゴメンな。目を離したが故に。それに反撃も出来ず他人任せとか情けない姿だった」


「.....そんな事ない。格好良かった」


「.....そうか?それは有難い。でもまあ大半は長谷川のお陰.....」


「そんな事無い」


「.....?」


猛烈に格好良かった。

お兄ちゃんとは思えなかった、と赤くなりながら言う夢。

俺は、そうか、と柔和になりながら夢を見た。

そして沈黙。

その中で俺は、ゲームするか?、と声を掛けてみる。


「そ、そうだね」


「.....何だお前。何でそんな他人行儀な。義妹だろ?お前が言っていたじゃないか」


「.....そ、そだね.....」


「.....???」


何かぎこちない他人行儀だな。

その、何時もの事なのに.....というかいじめっ子から守った小学校以来だけど。

それにしても何故こんなに赤面している?


俺は訳が分からないままだったが。

そのままゲームをしてから。

風呂に入った。

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