エピローグ
飽和した世界
こうして四人の少女の交差する物語は幕を閉じようとしている。桜の花が咲き誇るこの季節、帰り際に一際強い風が吹いた。それは四人にとって何を意味するかは本人達にはわからないが、全ての始まりを告げる風であった。
一年程経って、桔梗姉妹はあの時の二人に対し何が出来たのかを自問する。私達だけが解決して良いものではない、彼女達の悩みも解消してあげられていたらどれだけ幸せだっただろうか。今となっては、誰も知る由もない。
同じクラスなら変わったのだろうか、私達の関係性を打ち明ければ少しは勇気付けられただろうか、全てを考えても答えは出ず、桔梗ナズナは桜の木を見て思う。
誰しもが幸せになれるわけではない、その中で今の自分の幸せを噛み締めなければいけないのだと。
交差する琴線と花舞う少女達 るなち @L1n4r1A
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