第15話 結婚式
私たちの結婚式は下町の小さな式場で行うことにした。
人数も家族や親しい友人だけを招く小さなものだったけど、ライザがとても素敵なドレスを用意してくれた。
結婚式のドレスに小さいながらも憧れがあったからとても嬉しかった。
そしてやっぱり、ローリー様が誰よりも私たちの結婚式を泣いて喜んでくれた。
「そ、そんな素敵なドレスだなんて聞いていませんわ!絵師を呼ぶのはさすがにと遠慮した私の馬鹿!大馬鹿者!一生悔やんでも悔やみきれませんわ!」
なんて相変わらずだった。
あんまりにも言うからあとで絵師を呼んでもいいって伝えるべきかな。
「相変わらずだな、ランマント侯爵令嬢。これ、多分絵師を呼んでもいいって言うまでごねそうだな…。」
「そうだね。後から時間をとってもいいかな?」
「はーーーー。まぁ仕方ないな。なんだかんだでランマント侯爵令嬢には良くしてもらってるし。俺も折角なら今日の記念にもらおうかな。」
「それすごく素敵だと思う!」
私は本当に幸せだと思う。
一平民の私がこうして好きな人と結婚できて、結婚式に侯爵令嬢(しかも未来の王妃様)を呼ぶことができるなんて。
素敵な巡り合わせだと思う。
「ライザ、いつもありがとうね。これからもよろしくお願いします。」
「当たり前だ。こちらこそこれからもよろしく。」
優しく頭を撫でてくれる素敵な旦那様だ。
結婚式の後、絵師を呼んでもいいよというと、やっぱりローリー様は泣いて喜んでいた。
「推しが…推しカプが…結婚エンドを迎えただけでなくその結婚式に参列できるなんて私前世でそんなにも得を積んだのかしら…。
それとももしかして今日私の上にピンポイントで隕石が降ってきたりしませんよね…。それもまぁ…致し方ないのかしら…。
結婚エンドをこの目に焼き付けたからもう後悔はないし…でも欲を言えば推しカプのお子を拝みたい…。あぁ…強欲な私をお許しくださいませ…。」
泣きながら小さい声で呪文のように唱えていた言葉は聞かなかったことにしようと思う。
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