第40話

念のため病院に来た。伊織くんも来た。


「カエさん!」


普通にロビーにいるのに、抱きついてきた。


「ちょっとぉ、鈴野くん。私が見えてないの?」


「…あ、逢坂さん…」


気がついて離れた。


「ねぇ、鈴野くん。先生は私よりカエさんを選んだんだよ?」


「…そいつは?どこ?」


「もー警察行き〜これで担任変わるね!」


「あ、そうか」


「カエさん。私、カエさんの役に立てた?」


「うん、すごく」


「だって。役立たずね、鈴野くん」


「…今日は、ありがとうございました」


「えーうざ。律儀すぎ。私、手を擦りむいたし、一応ちゃんとレントゲン撮るから〜」


深く帽子を被り、サングラスをした逢坂さんは立ち去った。ピンクの髪は見えてるけど…。


「ごめん、学校に一緒に行けなかったから、こんな目に」


「ううん。私、逢坂さんに発見があって!わくわくした」


「それは?なに?」


「内緒」


「えー」


逢坂さんも素敵な能力を持ってた。なんだか嬉しい。


「カエさん、ところで、怪我は?」


「大丈夫」


「なんか、外で警察待ってる」


「…そうだよね…。うん、行く。伊織くん、家帰って待ってて」


「うん」


その後取り調べ。逢坂さんの嘘をそのまま使わせてもらった。

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