第39話

「はは、教室より保健室が近い。ちょうどいい」


先生に手を引っ張られる。このまま吹き飛ばすこともできるかもしれないけど…また倒れたくない。


「おいこらくそじじい」


あれ、…寝てたはずの逢坂さんだ。教室の方から歩いてきた。


「なんだ。起きたのか。こいつは体調が悪くて今から休むところなんだ」


「へー?そーなんですか?ってなるわけねーだろ!」


へ?


逢坂さんは、見事なグーパンチを先生の顔面に入れた。そうすると、先生はよろけてこけた。私からようやく離れてくれた。


「な、なにするんだ!」


「鼻の骨でも折ってやろうか?だけど〜私アイドルだしぃ〜それはやめておこーっと!」


あ。


股の間を…上履きで思い切り蹴ってしまっていた。先生はそのまま気絶したようだ。


「カエさん大丈夫?怪我してない?変なことされなかった?」


逢坂さんが近寄ってきた。さっきの雰囲気と全然違う。


「…うん、ありがとう。逢坂さん、すごいね」


「これ、は…みんなには言わないで?昔、格闘技やってて…」


「そうなんだ。すごいよ!逢坂さんありがとう!」


「カエさん、携帯ある?警察に…」


サイレンが鳴ってる。ようやくご到着のようで。よかった。


「え?警察だよね?なんでもう?」


逢坂さんはびっくり。

バタバタと警察の人たちがやってきた。


「大丈夫ですか!」


「ここです!先生が乱暴しようとして!そしたら〜ちょーど膝が当たって〜倒れちゃったんですー」


「怪我はないですか?」


「はーい」


逢坂さんすごい。対応が早い。もしかしたら伊織くんもこんな感じだったかな。

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