第38話

仕方なく立ち上がる。


「お前、逢坂よりかわいい顔してるな?」


先生が、近寄ってきた…


「彼氏は?いないだろ?」


これは…


「先生と楽しいことしないか?」


いけない。


パリン!


入り口の窓ガラスが割れた。


「誰だ!」


先生は慌てて廊下に移動した。他の先生は来ない。今日は1人しかいないのか。私は逢坂さんに近寄ってみる。…寝息立ててる。よかった。


「先生、どうしたんですか?」


私も廊下に出る。


「侵入者かもしれない」


「今日は皆さんお休みなんですか?」


「そうだ。…はは、そうだよ。お前、逃げられないぞ?」


そう言われたと同時に走る。


「おい待て!」


事務所に行かないと!


「こら!止まれ!」


はぁ、息が切れる。体力完全に戻ってない。


「ったく、なにしてんだ?ほら、教室に戻るぞ!」


途中で腕を掴まれた。けど、事務所の近くには着いた。


「やめて下さい!」


「逃げるな!」


イメージは、できた。受話器をはずす。ボタンを押す。


「うわ!なんだ!事務所のドアが勝手に開いたぞ!」


「風が強い日ですから…」


「ったくなんなんだ。さっきのガラスもそうだな。おい!こっちこい!」


「やめて!先生やめて!助けて!」


「騒ぐな。うるさいぞ!こっちだ!」


聞こえてるだろうか?

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