第37話

冬休みになった。私は補習授業。逢坂さんと同じで。でも、それはりこには知らされてない。


「はぁー、カエさんと一緒嬉しい!」


補習なのに元気である。


「逢坂さん、りこと最近話した?」


「誰それ」


「私の友達の三つ編み」


「あー全然?」


「これからも話さないで。騒ぐから」


「もちろん。だって、鈴野くんが前より話聞いてくれるから忙しいし。カエさんが指導したの?」


「その通りです。逢坂さんが、せっかく話してるから」


「そうなの?カエさん優しすぎる〜!」


補習のプリントを2人でしていたところ、先生が入ってきた。今日は担任が来た。交代制みたい。


「お前たち。クラスでは仲良くないと聞いたが?どういうことだ?」


なんか、嫌そうな顔してる。


「カエさんと仲良くない人とかいませんよー?知らないんですか?」


「はぁ、お前ら、俺を陥れるために組んだな?」


「そんなことしてないですよー」


「そうか。さっさとそれ終わらせろ」


…部屋を出て行ったけど、なんか腑に落ちない。チャイムが鳴って、先生が戻ってきた。


「ほら飲み物だ」


なぜか紙コップを持ってきた。そして逢坂さんに渡す。


「ありがとうございます〜優しいですねぇ」


逢坂さんはもらってすぐ飲んだ。先生は私にも勧めてきた。


「ほら、お前も早く飲め」


「結構です」


「いいから!」


コップを持ってこっちに来る。来ないで。


バシャ


床にコップが落ちた。と同時に隣の逢坂さんが机につっぷした。コップは空だったようだけど、机に転がってる。


「手が滑ったなぁ。ったく、お前はもう帰れ」


「逢坂さん、寝てるんですか?」


「さぁな」


「不自然です。急に変じゃないですか?」


「うるさい。お前口答えするのか?そこに立て!」


怒鳴られる筋合いはない。

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