席替え論争

第33話

「先生に言っても全然聞いてもらえないんです。私はいろんな人とコミュニケーション取りたいんです〜」


逢坂さんは校長先生にかわいらしくお願いをしている。私はただ一緒にいる。


「そうなんだね。なら、私から話しておこう」


「ありがとうございます!さすが校長先生ですねぇー」


よし。話は終わり!


「カエおはよう」


「おはようりこ」


教室に既にいたりこは、いつも通り。


「ねぇ、私考えたんだけど」


「なにを?」


「鈴野くんと、一度話したいと思ってて」


「そうなの?」


妄想の中だけでなく?


「今日話しかけようかな。今、あの人いないしー」


あの人って逢坂さん?確か、校長室に行った後、仕事行くって言ってた。


「話してみたら?」


「そーする」


りこはさっさと伊織くんのところへ。今日は、逢坂さんいなくて、誰も寄っていない。こんなことはわりとあったと思うけど、行かなかったみたい。


「す、鈴野くん」


「なんですか?」


やる気なさげに返事をした。


「私りこって言うの。友達にならない?」


「…なぜ?」


「…なんでもないです」


りこは席に戻ってきた。私の方をなぜか伊織くんは見てるし。だめ。


あ、いけな…伊織くんの首を正面に動かしたかも…


「鈴野くん、やっぱり性格最悪!噂ではさぁ、先生にも嫌味言ったりしてるらしいよ?あーわかった。あの女、私かまってて優しいでしょーアピールしてたわけだ。カエもそう思うでしょう?」

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