第25話

「あなたは、エネルギーを全身から出せていますね。その力というのは、うまくコントロールできています。ただ、大きな物を動かしたり、複雑な動きだと身体に負担がくるようですね」


「…そう、なんですか」


「恐ろしい力ではないです。心配されなくて大丈夫です」


「…はい」


「それで、これはですね…呪いというか、嫉妬心が積み重なったもののようですね」


お坊さんは、私をじろじろと見ている。


「あなたは人気者なんですか?」


なにその変な質問。


「確かに、カエさんは人気者だと…」


「それはないです。伊織くんは私の友達が原因だって言いますけど、本当なんですか?」


「そこまではわかりませんが、原因のある人物とその近くの人を調べてみて、話をまず聞いてください。これは、内側からなんとかしないといけませんね」


「そうなんですね…お祓いできないものもあるんですね」


「…いつからそれは発生してますか?」


「…伊織くん、いつ?」


「…たぶん、隣の席にカエさんが座ったとき…かな」


「そうなの?」


「掲示板見てた時はなかったと思う」


「え、伊織くんいたの?」


「たぶん、あれはカエさんだったと思うけど…」


よく覚えてるなぁ…。

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