第17話
「そういえば…あの知らない先輩は?」
「救急車で一緒に運ばれた。気絶してた。カエさんは怪我してなくてよかった」
「…あまり、記憶はないけど…鈴野くんは、私が力を使うところを見た?」
「途中から。先輩が空に上がっててそれを引き寄せていたところ。カエさんは、センスがあるんだね」
「…お父さんから、私のこと聞くためにバイトを?」
「違う。本当に学費と生活費欲しくて。それから、カエさんと話したくて」
「そんなに能力について知りたかった?」
「違う。カエさんは、俺を見ても特に何も言わないし、逢坂さんにだってみんなと同じ態度だし。そんなカエさんを知りたいと思ったし、なにより…かわいいから」
「え…照れないでよくそんなこと言えるね」
「俺は表情筋をうまく使えない。これでも、照れてる…」
「そっか。そうなんだ。ごめんね、無愛想だと勝手に思ってて」
「そんなの初対面の人から必ず言われる」
「私は、鈴野くんの綺麗な目が気になってた」
「こ、これは父親の遺伝。そんなに見つめられたら困る…」
「私の目は母親の遺伝。青い瞳で、私を見てこう言うの。その力は人間じゃない。神だってね。だから、一度…怖いところに…」
「カエさん」
いきなり、ぐいっと腕を引き寄せられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。