第13話

「なんでなんだろう」


「いや、わからないよ?」


その後、鈴野くんはだんまりになった。頭を抱えているようだ。なに?偏頭痛?


授業中、ずっとそんな感じでいたけど、どういうわけかなにかメモして…あろうことか私の机に置いた。一瞬であった。

メモを開けると、「放課後屋上」とだけ書かれてる。え…バイトは?さぼれと?これ断ってもいいもの?誰かに話してもいいもの?


…いや、話してほしくないから、紙なのかも。


しょうがない、放課後残ろう。


「今日はちょっと残る。先生に授業でわからなかったところ聞きたいから」


「そうなの?しょーがないな。また明日〜」


元気よくりこは出て行く。逢坂さんは、まだいて、鈴野くんに絡んでる。


「夏休みは時間ないの?私と遊ぶ?」


「バイトあるから」


「え、バイトしてるの?すごーい」


「忙しいから」


「えー、一緒に帰ろうよ〜」


しつこく付きまとわれてるようだ。取り巻きは羨ましそうに見てる。


「用事あるから。俺はまだ残る」


「え〜じゃあ私も」


「いや。用事ない人は帰ったら?」


「…そうね。みんな帰ろう」

「そうね〜」

「そうしよー?」


私はそんなやりとりの中、私はさっと廊下に出て、屋上に行く。

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