第11話

翌日。担任の先生に席替えのことを話しに職員室へ行った。


「…君は、逢坂のファンなのか?言いなりか?」


「そういうわけではないんです。頼まれただけです」


「だめだだめだ。全く、最近の子はなんでも言いなりだ。カエさん、君の意思はないのか?」


「そういうわけでは…」


「この話は終わりだ」


やっぱりだめか。そして、今日は逢坂さんお休み。仕事のようだ。


私は鈴野くんの言うこと聞かないで、休み時間はりこのところに行ったりした。鈴野くんはじっと見てきたりしたけど、特になにも言わないし、結局一日中話さなかった。そのまま家に帰り、バイトへ。


あー、バイト今日からか…。


「鈴野くん、私じゃ不満かもしれないけど、一応品出しを教えるから」


「…なんで、不満?」


鈴野くんが制服着替えて、コンビニの服着てるのなんか不思議。


「だってじっと見てて怒ってたのかと」


「いや違う。もやが増えてないか、気になって。でもあまり変化はないみたい」


「あー、そう」


「この話、信じてる?」


「信じるとかそういうのではないけど、そうなのかもしれないね」


「…あ、それから…」


「あ。無駄話してた!仕事始めるよ!」


また、あの話されたら嫌だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る