第3話

「友達になったみたいだし、席変わってもいいよ。私も、りこの隣になるし」


「ありがとー!カエさん!優しい」


「それは、先生が許可してくれるんですか?」


なぜか鈴野くんは無表情で、私を見てくる。知らないよそんなこと。


「もちろん、私がちゃーんと伝えとくから大丈夫!心配しないで!鈴野くん!」


「ピーチちゃんが言うなら間違いない!」

「そうだそうだ!」


そんなわけで、私はりこの隣に移動。


「カエ…なんか揉めてたけど…どうしたの?」


「席変わって欲しいって逢坂さんに言われた。だから変わってきたよ。りこも逢坂さんの隣は嫌だったでしょ」


「…でも、転入生さんのせっかく隣になったのに」


「逢坂さんと話して友達になったみたいだよ」


「えー、なにそれ。嘘くさい!」


「まぁなんでもいいよ」


普通に、のんびり過ごすのが1番だよ。楽しければそれでいい。


そうこうしてたら、先生がやってきた。


「先生〜!私、席交代しました〜!」


逢坂さんは立ち上がって先生に話しかけている。中年くらいの男の先生。


「なんだ君は?」


「先生知らないんですか?」

「ピーチちゃん!」

「アイドルですよ!」


みんな大騒ぎ。


「…名前…逢坂か。席は戻ってもらおうか。名前が覚えられないんでね」


「えー!先生!」

「ひどくない?」


「特別扱いはしない」


「え〜」

「ひどいですよ先生〜」


逢坂さんは、しぶしぶ荷物を持つ。私も慌てて移動した。

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