第2話

教室へと移動すると、室内では人が偏った場所へ集合している。


「ねぇ、カエ…なんの騒ぎ?」


「さぁ…?」


気にせず、教卓の上にある座席表をチェックする。あ…私、さっき見た鈴野すずのさんの横だ。すぐに、りこもやってきた。


「えー、うそ…私、逢坂さんの隣…カエと席離れてるし。

…え!カエは転入生と隣!?羨ましい〜」


「どんな人かわかんないよ?」


気にせず自分の席に…

と思ったけど、人だかりのところにあるみたい…。

めんどくさいことに巻き込まれたくないな。


「あら、カエさん。私と席変らない?」


逢坂さんが人だかりから出てきた。頭の上で結んだ、ピンクの髪が目立つ。


「なんで?」


「隣が鈴野くんなの。隣になりたいから」


「誰それ?」


「ほら〜カエさんこっち」


連れてかれたところの席に座っていたのは、パーマみたいな茶髪の、緑色の目をした男の子だった。やっぱり中学にいなかった人かも。


「鈴野くん。この人はカエさん。私と席変わることになったから」


「…言いなりになるんですか?」


なぜか悪者のように見られてる?


「…状況がわからなくて。えーと、逢坂さんの友達?」


「そーなの!さっき話しててね!」


「そうそう。ピーチちゃんが隣がいいって話してて!」

「羨ましい…ピーチちゃんの隣なんて」


ピーチとは、逢坂さんの芸名である。近くにいる人たちは、男女ともにファンのようだ。

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