第4話

結局元の席に。なぜか、鈴野くんにじっと見られた。目が緑色だけど、カラコンではなさそう。そして、なぜか無表情だ。


先生はそれから、名前を読み上げて私たちに返事をさせた。


観音寺かんのんじ


「はい」


「先生。長いからカエさんでいいですよ?かえでだし」


逢坂さんは、私のことを気に入ってるのかなんなのかわからないが、みんなにカエって呼ばせたいらしい。中学のときもそうだったけど、観音寺というのは長いし、呼びずらいとよく言われてるし、まぁいいや。


「ピーチちゃんさすが」

「その方が覚えやすいですよ先生」


みんなも賛成しているようだ。


「なるほど?じゃあお前はカエだな」


「はい」


なんかメモられた。

休憩時間になると、みんなまた鈴野くんの周りに群がる。邪魔になるし、私も席を立って、りこのところへ移動する。


「カエ〜離れて寂しいけど…あんなイケメンの隣ってずるい!」


「えー?」


イケメンというのは、よくわからないけど。


「それでーなにか話した?」


「そんな暇ないよ」


「私も話したいな〜、かっこいい〜、付き合いたいなー」


「えー」


ロマンチストなりこは、話してもないのにそんなこと言ってる。

そして、一度も話さないで授業は全て終わった。鈴野くんは放課後もみんなに囲まれるんだろうな。


「帰ろう、カエ」


「うん」


「ねぇカエさん!鈴野くんの隣にしてって先生に話してくれる?」


が、逢坂さんに捕まった。


「ちょっと難しいかも」


「そう?カエさんの言うことなら聞きそうなのに」


「…ちょっと。カエが嫌がってるじゃないの!」


「なに?三つ編みブス」


「な、なんですって!」


「やめなよりこ。とりあえず明日話しておくから。無理かもしれないけど」


「さっすがカエさーん!」


りこは不満そうにしてる。

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