第7話
小黒は笑みを浮かべていた。
前世のように人を殺しても一方的なもので、確かに刺激的ではあったのだが『何かが足りない』そう感じていたのだ。
だが、今回の転生は違う。
相手との命のやり取りができる、一方的な殺戮などではなく殺しあいという最高に刺激的な体験ができる。
彼は最高に興奮していた。
彼は高鳴る気持ちを抑えて、建物の物陰から敵が出てくるのをじっと待った。
敵が見えるまでの約30分が、彼にとっては永久のように感じた。
武器を取ると彼は敵の前に出る。
他の奴らが何か言っていたがそんなことはお構い無しだ。
事前に確認した敵兵の場所に向かって銃を放つ。
銃を構えようとしていた敵兵は心臓の辺りに弾丸を受け、トリガーを引く前に絶命した。
急いで他の兵が俺に向かって弾丸を放つ。
「ハハハハハハハハハ!!」
彼が転生をするなかで自身の死への恐怖はなくなった。
それに普通の人間なら働く倫理観のブレーキももはやない。
銃弾が飛び交うなかでも笑いながら銃をぶっ放していた。何発か浴びながら、それでも彼は敵を殺し続ける。頭に一発受けたときに彼の動きは止まった。
後にこの戦いを生き残って帰ったとある兵士はこう述べている。
『奴は人間じゃない。笑いながら銃弾が飛び交う戦場を戦うその姿はそう、悪魔だ』
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