第5話
その後の彼女は前世と同じような学校生活に戻ってしまった。刺激的なことは無くなってしまった。
『いじめが続いていた方がよかったかな~』そう思い始めていた。
「そうだ、自分から何かやればいいんだ」
家の自室で彼女は一人呟く。
転生すれば別人になる。
そうなればこの"磯崎"は死後も批判されるだろう。
だがおれ自身が何かとがめられることはない。
仮に転生しなくても、死ねばどんな問題行動もいずれ忘れ去られる。
彼女の倫理観は転生によって完全に破綻してしまったのだ。
それからは危ないクスリを吸ってみたり、夜の住宅街でバットを振り回したり、車を盗み人を轢き殺したりなどをしていた。
そんなことをしていたら当然、警察は呼ばれた。
周りにはパトカーと何人もの警察官が彼女を取り囲んだ。完全にハイテンションになった彼女は笑いながら叫ぶ。
「そうだよ、これだよぉぉ!!俺の求めていた生活はこれなんだァァぁ!!!」
「……イカれてる」
一人の警官はそんな彼女を見て呟いた。
彼女は胸元から包丁を取り出す。
それを見た警官はさらに警戒態勢をしく。
「じゃあな」
彼女は自身の首を何度も何度も包丁で刺す。
最期まで彼女の顔には笑みが浮かんでいた。
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