第4話

「どうしたのかな、磯崎さん?」

優しく包み込むような声で話しかけてきた。

彼女は堂々とした態度で、あるものを机に置く。

彼女が置いたものはそうボイスレコーダーだった。

その中にはいじめを宣言している白川の声、虐められている事実を否定していた担任の柿田の声、それが入っていた。

「この状況、校長先生ならどう思いますか?」

礒崎は尋問するように校長に聞いていた。

胸の中には別のレコーダーが入っている。

万に一つ、柿田と同じようにいじめを隠蔽するとなったらこれを出すべきところへ出すために。

「学校としては今後調査をしてから答えを出すべきだとは思いますが、私個人としてはいじめの事実はあったと考えています」

校長の答えを聞いた彼女は堂々と部屋から退出した。

その後、白川たちの虐めも柿田の虐め隠蔽も事実であることが明るみになり、白川たちは高校を自主退学

柿田は退職させられた。

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