第3話
「磯崎ちゃーん、昨日は珍しかったねぇ。嫌がる反応が見たかったのにな~」
学校に来て早々いじめグループの一人である白川が話しかけてくる。
白川はニヤニヤと笑みを浮かべていた。
大方、『もう許してください』なんて言葉を彼女の口から聞きたいんだろう。
しかし、あえて彼女は無視をした。
「まあいいや。今日もじっくりと虐めてやるからな」
若干イラついた様子で白川は彼女の前から去っていく。
そんな後ろ姿を見て、磯崎の顔は悪意のこもった笑みを浮かべていた。
2時間目の終わった頃、トイレに行っていた磯崎の後を白川と2人の虐め仲間は追っていた。
白川達は水のたっぷりは言ったバケツを抱えていた。
どうやら昨日と同じような方法を用いるつもりのようだ。
バシャッ
トイレに入っていた磯崎は上の方から徐々に水が滴り落ち、足の先まで水が染み込んだ。
外からは白川達が揃いも揃ってゲラゲラ笑っていた。
服の替えなど持ってきていなかったので仕方なく濡れた服のままで教室に戻っていった。
「おい、白川。早く着替えてこい」
教室に入るなり教師の柿田がそぐさまそう言ってきた。
「でも柿田先生、私虐められているんです」
「嘘を言うんじゃない!このクラスにそんな奴いるはずないだろうが!!」
柿田は食いぎみに言ってきた。
制服を濡らされた様子から誰が見ても虐められていることは明白だったが、彼は聞く耳を持たなかった。
仕方なく更衣室で体育着に着替え、その日彼女はそのままの姿で授業を受け続けた。
あの後から放課後まで彼女に対する虐めはずっと続い
た。
「また明日も遊んでやるよ、楽しみにしてな」
白川は帰り際にそう言い残し学校を去っていく。
「明日があると思ってるなんてお気楽な奴だ」
一人になった磯崎はある場所へと向かった。
校長室、そのドアを開いて彼女は校長の前へと立った。
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