第2話

彼女は学生だったようで、とりあえず行ってみることにした。

教室に着くと自席へと向かう。

どうやら席順は出席番号だったようで、分かりやすかった。

「…………」

机には花瓶が置いてあった。

それを見て、周りで数人の女子がクスクスと笑っている。

『ああ、いじめか』彼がそう察するのにそう時間はかからなかった。

"田中修二"では絶対に受けることの無かったいじめ。

しかし、初めてそれを受けた彼女の心には悲しみはなかった。

いや、それどころか喜びさえ感じていた。

形はどうであれ、求めていた刺激的な毎日が得られたのだ。

その日は一日中いじめを受けた。

家に帰ってからは自分の姿に母親は心配してきてが、

適当にあしらって自室にこもった。

「さて、あいつらをどうしてやろうか」

この学校生活が彼女にとって嬉しいものではあるのは事実だ。

だが、ずっとやられっぱなしというのも癪だった。

彼女は次の日の学校に行くまで復讐計画を練りに練った。


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