第3話
それからというもの彼の人生観は180度変わった。
遊べるときに遊び、仕事は程ほどに。
勇太としての生活にも大分慣れてきたようだ。
社内でも色んな人たちと仲良くなり、多くの場所に行き、以前とは比べ物になら無いほど楽しんでいた。
あのときまでは……
それは勇太になって20年が経った頃のことだった。
彼にも家族が出来て、子供も出来ていた。
ちょうど思春期に入り、子供との接し方に彼は戸惑っていた。
妻は結婚15年も経ったせいなのか彼にたいして冷たくなり、家にいても肩身が狭いので友達と遊んでしまうことが多くなってきていた。
そして彼は今日も同じように家から出ていこうとしていた。
「いい加減にして!いつまでも遊び歩かないでよ!!」
我慢の限界なのか彼の妻は強く机を叩き、旦那へと言葉をぶつける。
勇太は普段静かな彼女とは違うのでビックリして動けずにいた。
「いっつもいっつも私たちのことを考えないで遊んでばかりで!!それでも父親なの!?」
一つ一つの言葉が勇太の心をえぐり取る。
「そ、そんなこ、ことは」
反論しようとした彼の発言を彼女は許さない
「ある!!!」
「でもそれは君が冷たいからで……」
その言葉を聞いた彼女は軽蔑したような目を勇太へと向けた。
「貴方ね、一回部下の女と寝たでしょ。それが冷たくする理由。分かりますかぁ??」
机に勇太の不倫写真をばらまく。勇太には何一つとして見れなかった。それほどに憔悴しきっていた。
しかしそんなことお構い無しに彼女は緑の紙を出した。
「それ、サインしといて。後の事は弁護士を通してお願い。それじゃあ」
その後、彼は多額の慰謝料を払い離婚。
社内では噂が広まり、その社員と共に退職となり彼は落ちこぼれた。
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